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沖縄の護国神社(1)

ニューズウィーク日本版 / 2016年8月13日 6時42分

(2)日本兵が見えると言う米軍基地の住人、深夜になると無意識に南部へ「撤退」するようになった公務員、修学旅行でガマ(戦時中、壕の代わりに使われた洞窟)に入れられて以来「ついてきた」と怯えて歩けなくなった生徒、何かのはずみで動物のような振舞いをするようになった「狐憑き」の人などがいた。驚くべきことに、いずれもお祓いで快復したそうだ。二一世紀の日本でこんな話は信じがたく、子供の友人母(いわゆるママ友)で大病院の精神科医にそっと話してみると、「ああ、うちにもよく来ます。薬が効く人と効かない人がいて、効かない人は霊のせいかも」と事もなげに言われた。

[執筆者]
宮武実知子(主婦) Michiko Miyatake
1972年生まれ。京都大学大学院文学研究科博士課程(社会学専攻)単位取得退学。日本学術研究会特別研究員(国際日本文化研究センター所属)や非常勤講師などを経て、現在は沖縄県宜野湾市在住。訳書に、ジョージ・L・モッセ『英霊』(柏書房)などがある。現在、新潮社『webでも考える人』で「チャーリーさんのタコスの味―ある沖縄史」を連載中。

※当記事は「アステイオン84」からの転載記事です。






『アステイオン84』
 特集「帝国の崩壊と呪縛」
 公益財団法人サントリー文化財団
 アステイオン編集委員会 編
 CCCメディアハウス



宮武実知子(主婦)※アステイオン84より転載


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