1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 国際
  4. 国際総合

海保の精神は「正義仁愛」――タジタジの中国政府

ニューズウィーク日本版 / 2016年8月22日 15時40分

6. さらなる人命救助のために遭難者の捜索に当たった。救助した中国漁船の船員から聞いたところによれば、乗組員は全員で14名。まだ8名が見つかっていない。必死の捜索を続けたが、8名は見つからず、気が付けば中国公船も行方不明者の捜索に当たっているようだった。

7. 海上保安庁の精神は「正義仁愛」。どの保安官に聞いても、必ず間違いなく「正義仁愛の精神に基づいて行動している」と回答するだろう。

 以上がおおむねの回答であった。

 6名の人命を救ったのは、まちがいなく日本側である。それはもしかしたら事故現場に到着した時間差による違いだったかもしれないが、その原因は中国側が発表しない限り突き止められない。中国自身がどのような判断をしたのかは分からないという。

「いずれにせよ、海保にあるのは『正義仁愛』のみ。ともかく目の前に人命の危険があれば、それを救うために全ての力を注ぐ。それだけです」と海保は言葉を結んだ。

 その志の高さには、深い感動を覚える。

ギリシャ貨物船を福建に寄港させて取り調べている中国

 その中国、8月13日の新華社福州(中国・福建省)によれば、福建海事局が、中国漁船と衝突を起こした「嫌疑」により、ギリシャ貨物船を中国海事パトロール船の監視下に置き、中国福建省沿海部の港に寄港させ、海事調査を受けるよう命じたとのこと。

 これは中国交通運輸部(日本の省に相当)海事局の指示に基づいたもので、福建省海事局は事故調査班を設置し、ギリシャ船籍貨物船を調査していると発表。

 この報道に対して、中国大陸のネットユーザーたちが、また騒いでいる。

●ほう、いったい誰が6人の船員の命を助けたのか、一文字たりとも書かないのか?

――書く勇気がないんだろ?

●いったい誰が助けたんだい? 

――日本だよ。日本の巡視船さ。俺は書く勇気を持っているぜ。

●中国の巡視船は?海警船は何してたんだい?

――さあね、救難信号が聞こえなかったんじゃないかい?お茶でも飲みに行ってたとか?

――いやいや、仕事を終えて帰宅したんじゃないのかい?

――釣魚島って、中国の古来からの島だろ? 海警船はいつもいるんじゃないのか?

●ふだん、中国の海警船は釣魚島のまわりに常駐しているよ。なのに、なんで、日本が先に(事故現場に)着いたんだい?やっぱり、実際のコントロール権に関しては、日本の方が優勢なんじゃないのかな?

●ギリシャ貨物船を中国漁船と衝突した「嫌疑」で監視下に置いたって言ってるけど、なに? 船の中に日本人がいて偽装工作をやっていたか否かを調べてるっていうわけ?

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

複数ページをまたぐ記事です

記事の最終ページでミッション達成してください