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海保の精神は「正義仁愛」――タジタジの中国政府

ニューズウィーク日本版 / 2016年8月22日 15時40分

 日本の外務省の発表によれば、今年、日本で開催することを予定している日中韓サミットに向けて、23日から行なわれることになっている日中韓外相会談に関して調整が行われているが、具体的日程に関しては発表が見送られたとのこと。21日、日中韓の外務省次官級による最終調整のための協議が都内で開催され このとき日本と中国による二国間会談も開かれた模様。日本側は中国公船による領海侵入に強く抗議したようだが、中国のネットユーザーからここまで批判されている状況では、中国としては「大きな顔」をして日本と向き合うことはできないはず。会談では中国側は、「釣魚島は中国の領土」という独自の主張を繰り返したらしいが、本心はそれどころではないにちがいない。

 中国のネットユーザーが「精神性」に行きついたということに、中国政府はきっと「タジタジ」といったところだろう。

 海保の「正義仁愛」という精神が、ついに外交の場で発揮され始めたと解釈することができる。日本の快挙だ。

追記:ここに来て日程調整に難航した後、結局、日中韓外相会談は8月24日に東京で開催されることになった。中国外交部は「日本がどうしても来てほしいというから、やむなく参加するだけだ」という弁明の記者会見を行なったが、国内世論がいかに厳しいかを如実に示している。

[執筆者]遠藤 誉
1941年中国生まれ。中国革命戦を経験し1953年に日本帰国。東京福祉大学国際交流センター長、筑波大学名誉教授、理学博士。中国社会科学院社会科学研究所客員研究員・教授などを歴任。『チャイナ・セブン <紅い皇帝>習近平』『チャイナ・ナイン 中国を動かす9人の男たち』『ネット大国中国 言論をめぐる攻防』『チャイナ・ジャッジ 毛沢東になれなかった男』『完全解読 中国外交戦略の狙い』『中国人が選んだワースト中国人番付 やはり紅い中国は腐敗で滅ぶ』『中国動漫新人類 日本のアニメと漫画が中国を動かす』など著書多数。近著に『毛沢東 日本軍と共謀した男』(新潮新書)



※当記事はYahoo!ニュース 個人からの転載です。

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遠藤誉(東京福祉大学国際交流センター長)


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