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習近平、アジア3か国歴訪とBRICS首脳会議――その戦略と動向

ニューズウィーク日本版 / 2016年10月17日 16時35分

 街道には習主席とシハモニ国王の肖像画が並べられていた。

ひれ伏さんばかりのバングラデシュ

 バングラデシュは、習主席が北京空港を飛び立ち、カンボジアのプノンペンに向かう途中から軍用機による護衛飛行をしていたが、プノンペンからバングラデシュに向かう時にも数機の軍用機で護衛を続けた。飛行場では習主席の写真と五星紅旗をかざす大勢の子供たちが、タラップから降りた習主席を熱狂的に迎えた。飛行場から進むすべての街道に、習主席とハミド大統領、ハシナ首相のかなり大きな写真が交互に並べられ、その光景をCCTVが繰り返し伝えた。

 習近平国家主席はハミド大統領やハシナ首相らと、白と赤の花に彩られた会議場で会談した。

 ハミド大統領との会談で習主席は、「このたびの訪問期間に、双方は各分野での協力メカニズムを充実させ、重点分野での大型プロジェクト協力を積極的に実施し、一帯一路建設をともに推進し、両国国民に幸福をもたらし、この地域の相互連携と発展繁栄に貢献していくことに同意した」などと述べた。

 それに対してハミド大統領は、「習主席のこのたびの訪問は両国関係を新たな水準に押し上げるもので、中国はバングラデシュの最高の戦略的協力パートナーになった。双方の貿易、投資、インフラなどの各分野での協力の潜在力は巨大だ」と述べ、ハシナ首相もまた「バングラデシュは一帯一路建設に積極的に参加し、『中国・バングラデシュ・インド・ミャンマー経済回廊』の開発を支持する」と返した。



 さらにハミド首相は「バングラデシュは『1つの中国』の政策を固く支持する。中国との互いの核心的利益について支持したい」と付け加え、習主席を喜ばせた。

 会談後、両国指導者は「一帯一路」の共同建設、生産能力協力、情報通信、エネルギー電力、外交、海洋、防災、気候変動などの分野における多項目の協力文書に調印した。たとえば「中国がバングラデシュに200億ドル(約2兆円)の融資を行うこと」や、「136億ドル(約1兆4000億円)規模の貿易投資協定」などがある。

インドのゴアでBRICS首脳会談

 習主席は15日にはBRICS(新興5カ国。ブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカ)第8回首脳会議に出席するためにインドのゴアを訪れた。9月4日に中国の杭州で開催されたG20においてもBRICSの臨時会議を開催したが、今回は正式の首脳会談となる。習主席はインドのモディ首相の歓迎を受けたあと、BRICS各国首脳およびネパールの首脳とも会談した。以下、各国との会談内容は、CCTVや「新華社」および「人民網(人民日報のウェブサイト)」以外に、「中国青年報」も参考にし、筆者の解説を加えながら概況を述べる。

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