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習近平、アジア3か国歴訪とBRICS首脳会議――その戦略と動向

ニューズウィーク日本版 / 2016年10月17日 16時35分

(1)中露首脳会談

 習近平:中国とロシアは国連安保理常任理事国であり、新興主要国であり、かつ上海協力機構(NATOに対抗した、中国やロシアを中心とした安全保障機構)の仲間なので、力を合わせて新興国および発展途上国に利益をもたらすように国際秩序を形成していこう。

 プーチン:中露関係を緊密にしていくことに全力を尽くしたい。来年のBRICS首脳会議開催国としての中国を全面的に応援したい。エネルギー、インフラだけでなく、航空、宇宙開発においても協力したい。

(2)中印首脳会談

 習近平:中印関係の発展には目を見張るものがある。戦略的パートナーシップを強化し、BRICSのみならず、上海協力機構(インドは今年、正式に加盟)、南アジア地域協力聯盟および東アジアサミットにも協力したい。

 モディ:中印の戦略的パートナーシップを強化し、21世紀を「アジアの世紀」に持って行こう。来年のBRICS議長国としての中国での成功を祈り、全面的に協力したい。

(3)中国・南ア首脳会談

 習近平:中国は南アフリカとの戦略的パートナーシップが非常に勢いよく強靭になっていることを大変うれしく思っている。中国は南アフリカだけでなくアフリカの全ての国が、それぞれの国情に応じて発展し、外来勢力の干渉を受けないことを願っている。(筆者:中国は外来勢力ではないのだろうか?)
 
 ズマ:中国がインフラ建設や、人材養成など多くの領域において協力してくれていることを心から感謝している。全面的に中国に協力していきたい。

(4)中国・ネパール首脳会談

 10月16日の新華社は、特に習主席が15日、ネパールのプラチャンダ首相と会談したことを大きく報道した。プラチャンダ氏はネパール共産党毛沢東主義派のトップ(書記)で、今年8月に新首相に選ばれた。実はプラチャンダ氏が首相に当選するのは、これで2回目で、第一回は2008年8月~2009年5月。就任期間は1年にも満たない。政権を奪ったのはネパール統一共産党の党首。いずれにしても「ネパール共産党」の党派によって政権が短期間で変わっている。2008年の第一期プラチャンダ政権から第二期までの間に6人も首相が変わっているので、政権は不安定だ。また途中に一回だけ無党派が首相になっているので、中国のような形での共産党支配とは異なる。

 習近平:中国とネパールは国交を正常化してから半世紀以上経ち、政治的にも交流がある。地震災害後の支援を続けるだけでなく、今後はさらにインフラ建設や民生の回復支援および中国の大企業の投資を強化していく。上海協力機構などの協力枠組みを向上させたい。
 
 プラチャンダ:中国はネパールにとって最も信頼できるパートナーだ。積極的に一帯一路建設に関わっていきたい。

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