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オルト・ライト(オルタナ右翼)とは何者か

ニューズウィーク日本版 / 2016年12月12日 16時0分

<オルト・ライトの有名人>

■スティーブン・バノン(1953年生まれ)
2016年8月より米大統領選でトランプの選挙対策責任者。来年1月から始まる新政権では、首席戦略官と上級顧問を務める。バノンの前職は極右サイト「ブレイトバート・ニュース」の会長。政権入りに合わせ、ブレイトバートは辞める予定。オルト・ライトともつながりがあると言われるが、バノンはオルト・ライトという言葉を笑い飛ばす。ハーバードビジネススクールでMBAを取得し、ゴールドマン・サックスで働いていたこともる。

■ウイリアム・ピアース(1933-2002)
白人ナショナリスト団体「ナショナル・アライアンス」の創設者。アンドリュー・マクドナルドのペンネームで、連邦政府転覆の戦いを描いた「ターナー・ダイアリー」を執筆。「人種差別のバイブル」と呼ばれる。物理学教授として教鞭をとっていたが、その後ネオナチ・白人至上主義的な政治活動に関与。

■リチャード・スペンサー(1978年生まれ)
白人至上主義を広めたアメリカの白人ナショナリスト。白人ナショナリストのシンクタンク社長。ナチスのプロパガンダをよく引用し、ユダヤ人を非難するが、自分はネオナチではないと言っている。2016年米大統領選でトランプが勝利した後、彼と彼の支持者は「ハイル・トランプ、ハイル・わが人民、ハイル・わが勝利」と言いながらナチス風の敬礼をして世間を騒がせた

■ポール・ゴットフリード(1941年生まれ)
リチャード・ニクソンを始め保守派の政治家に多くの知己をもった政治哲学者。オルト・ライトの語源ある「オルターナティブ・ライト」という言葉を作った。アメリカの右翼政治のなかで発展したものをオルト・ライトと呼ぶのは、白人ナショナリズムや白人至上主義を覆い隠して社会に受け入れられやすくするものだと危険視された

■ケビン・マクドナルド(1944年生まれ)
心理学者。ユダヤ教は他の宗教や民族に勝ち抜いて生き抜く力を増進するためにある、と独自のユダヤ人進化理論を提唱した。オクシデンタル・オブザーバーという白人向けの雑誌を編集し、名誉棄損防止組合から、極右知識層の反ユダヤ思想の中心的な声になっていると批判された。

■マイロ・ヤノプルス
イギリス人ジャーナリスト、起業家、ブレイトバートのハイテクエディター。

資料:wikipedia


 確かに、ブレイトバート・ニュースは白人ナショナリストの間で人気だ。だが、このサイトは断固としてイスラエル支持の立場を取っている。開設当初から、アンドリュー・ブレイトバートやラリー・ソロフ、アレクサンダー・マルロー、ジョエル・ポラック、ベン・シャピロ、マイロ・ヤノプルスなどのユダヤ系が中心となり組織を導いてきた。なかでもヤノプルスはここ数カ月、各地の大学のキャンパスで演説に繰り出すなど、大学で展開する運動の広報担当として躍進した。一方で彼は「ユダヤ人のハーフ」を自称するカトリック教徒で、黒人のパートナーを好みつつ華麗な男性遍歴を持つ同性愛者だ。

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