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ロシアW杯をプロパガンダに利用するプーチン

ニューズウィーク日本版 / 2018年6月19日 16時0分

フランスでユーロ2016が開催された際に、イングランドのサポーターと乱闘事件を起こしたロシア人フーリガンは国内でも恐れられている。だが多くの専門家は、今回は治安部隊がそのような暴力を許さないとみている。W杯ロシア大会はプーチンにとって、あまりにも重要だからだ。

フーリガンに詳しい情報筋によれば、警察は騒動を起こしそうな連中に対し、ロシアの国際イメージに害を及ぼすようなことがあれば長期刑が科される、と警告しているという。

この大会に関しては、イスラム過激派や地政学に関する話題が多過ぎて、スポーツイベントであることが忘れられがちだ。

ロシアは世界一のサッカー選手が自国でプレーすることに興奮しているが、ロシア代表チームが優勝する可能性はほとんどないと言っていいだろう。ロシアはワールドカップ参加国ではランキング下位のチームで、ソ連崩壊以来、上位争いに食い込んだことはない。

ロシア政府も試合の行方を左右することはできないが、それ以外の点ではFIFAの助けも借りて、何事も運任せにしたりはせず、隅々まで細心の注意を払っている。

そのいい例が、プーチン大統領とFIFAのインファンティーノ会長が登場した宣伝ビデオだ。インファンティーノのサッカーの技量は印象的だったが、プーチンの能力に関しては、優れた映像編集でかなり誇張されているらしい。

「ロシアにはこの大イベントを成功させる力がある。それを世界に見せつける。それが全てだ」と、ロシアの著名な作家でサッカー愛好家のビクトル・シェンデロビッチは言う。「サッカー自体は二の次。プーチンにとって、一番大事なのはプロパガンダだ」

<本誌2018年6月26日号掲載>




マーク・ベネッツ(ジャーナリスト)


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