イギリスが欧州の「孤島」になる日
ニューズウィーク日本版 / 2018年11月22日 17時20分
現在は欧州医薬品庁(EMA)の承認薬全てが英国内で販売できる。だが合意なき離脱となれば、突然国内の規制機関の承認薬しか売れない状態に陥り、英国内では入手できない医薬品が多数発生する恐れがある。政府は製薬各社に、主要な医薬品については最低6週間分の備蓄をするよう求めている。
だがワクチンやインスリンなどは要冷蔵なので、大量の備蓄は難しい。しかもイギリスはその大半を主にEU諸国から輸入している。離脱当初に空港や港湾施設での手続きが遅れるというリスクもある。抗癌剤の一部など、有効期間が短い製品の備蓄にも同様の難題が待つ。
エルガーフには4歳の娘がいて、てんかんの発作を抑える薬を服用している。だが1回の処方で出されるのは1カ月分だけで、備蓄はできない。「ほんの2日ほど途切れただけでも大変な事態を招きかねない」と、エルガーフは言う。悪くすれば命に関わることも。「豆の缶詰なら買いだめできるけど、抗てんかん薬は無理なの」
<本誌2018年11月27日号掲載>
※11月27日号(11月20日発売)は「東京五輪を襲う中国ダークウェブ」特集。無防備な日本を狙う中国のサイバー攻撃が、ネットの奥深くで既に始まっている。彼らの「五輪ハッキング計画」の狙いから、中国政府のサイバー戦術の変化、ロシアのサイバー犯罪ビジネスまで、日本に忍び寄る危機をレポート。
デービッド・ブレナン
この記事に関連するニュース
ランキング
-
1米副大統領候補のバンス氏、台湾へのパトリオット供与遅れを批判「ウクライナのせい」
産経ニュース / 2024年7月17日 14時38分
-
2トランプ氏は「神の手に守られた救世主」 暗殺未遂、個人崇拝に拍車
AFPBB News / 2024年7月17日 16時29分
-
3「将軍」最多25ノミネート=主演の真田広之さん候補―米エミー賞
時事通信 / 2024年7月18日 4時53分
-
4韓国でLINEユーザーが急増した理由 日本への反発?
ニューズウィーク日本版 / 2024年7月17日 15時55分
-
5百貨店で大規模火災 16人死亡 中国・四川省
日テレNEWS NNN / 2024年7月18日 10時25分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください