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女性蔑視のトランプを支える「トランプの女たち」のナゾ

ニューズウィーク日本版 / 2018年11月27日 17時0分

イバナはトランプがマーラ・メイプルズと浮気しているのを知って、90年に離婚の申し立てをした。泥沼の法廷闘争を経て、92年に離婚が成立。イバナは1400万ドルの現金、コネティカット州にある45室の豪邸、トランプ・タワーのアパート(ここで子供3人を育てた)、年間65万ドル以上の養育費と生活費を手に入れた。

イバナは働く女性だが、フェミニズムの旗手ではなかった。トランプの女性版だった。共産圏で育ったイバナは貪欲な実業家に変身し、トランプとの離婚後は小説や自己啓発本を書く傍ら、衣料品やジュエリー、化粧品などの事業を手掛けた。



イバンカ・トランプ

あなたもきっとああいう写真を見たことがあるだろう。ない? それなら「creepy pictures of Trump and Ivanka」(トランプとイバンカのキモい写真)で検索してみるといい。

トランプ嫌いの人は、彼の手が何かに触れているのを想像しただけでぞっとする。ホワイトハウスのドアノブでも、ミス・ティーンUSAの王冠でも、娘のイバンカでも。思春期のイバンカがパパといっしょにイタリア製スポーツカーに乗り込む写真や、パパの膝に座った写真などを見ると、いろいろ余計なことを考えてしまう。

ピグマリオンの伝説は、彫刻家が完璧な女性を作り出そうとして、自らの作品に恋してしまう物語だった。トランプも娘のイバンカを自分の最高の作品と思い込んでいる。公の場で、イバンカは父を「私の父(マイ・ファーザー)」と言い、孝行娘らしい態度を取る。私的な場では「ダディー」と呼ぶが、トランプはそう呼ばれるのがうれしいようだ。

イバンカの子供時代も楽ではなかった。ほんの9歳のときに路上で記者たちから、「お父さんはベッドの上では上手?」と質問されたことがある。そんな経験をしたら、二度と立ち直れないか、うまい言い返し方を身に付けるか、どちらかしかないだろう。

13年のインタビュー番組で、父と娘に共通している点は何かと質問されると、トランプは「セックス」と答え、思わせぶりにちょっと沈黙した後、「いや、ゴルフと不動産だ」と言った。スタジオ内の観衆は不快の声を上げたが、イバンカは髪の毛をかき上げて忍び笑いをすると「まあ、悪い子ね」とでもいうように、母性愛に満ちたまなざしを父親に投げ掛けた。

長女イバンカは父親トランプの理想だ。父娘がべったりくっついた写真を見て不快に感じる人は多い Ron Galella-Wireimage/GETTY IMAGES

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