1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 国際
  4. 国際総合

60 歳を迎えて老後の生活資金を考える

ニューズウィーク日本版 / 2019年1月15日 19時0分

さて、60 歳になると確定拠出年金への拠出はできなくなる一方で、受取方法等について、いろいろと決断しなければならない(【表2】参照)。

まず、最初に、確定拠出年金を今後どう受け取るかだが、実は運営機関や年金規約によって、受け取り方の自由度は大きく異なる。このことはあまり知られていないのではないか。この点は、政府や金融機関および企業の加入者への周知徹底が不十分ではないかと感じる。

各人とも一度、現在加入している確定拠出年金の年金規約を確認するか、担当者に確認してほしい。また、今後加入を検討しているのであれば、加入する前に、是非とも、この受給方法の選択の自由度について十分な説明を受けてほしい。



繰り返しになるが、加入先や年金規約によって受け取り方の自由度は異なる。受け取り方には大きく「一時金」と「年金」があるが、年金規約によっては、「一時金」と「年金」の組み合わせが選べるが、そのどちらかしか選べない規約もある。筆者の場合、「一時金」の割合を0%、25%、75%、100%から選択できる制度に加入している。税務上の取扱が「一時金」と「年金」で大きく違うため、この選択の自由度はあった方が良い。(【表3】参照)



「一時金」は退職所得で、「年金」は公的年金等の雑所得となる。退職所得は原則として、退職所得=(収入金額-退職所得控除額)×1/2 という式で計算され、退職所得控除額は勤続 20 年以上なら 800 万円+70 万円(勤続年数-20 年)という式で計算される。例えば、勤続 40 年なら退職所得控除額は 2,200 万円となるので、「一時金」が他の退職所得と合わせて 2,200 万円以下なら非課税となる。従って、退職所得総額が 2,200 万円以内になるように「一時金」の金額を決めて、その他は「年金」でもらうと税金上はお得というのも合理的な判断であろう。

また、「年金」の受け取り方も年金規約によって選べる自由度が異なる。特に重要なのは終身年金が選べるかどうかだ。筆者の場合、「年金」の受け取り方は、5年、10 年、15 年、終身の4種類から選択可能だ。年金規約によっては終身年金を選ぶことができない。

前述したが、「老後の生活資金確保」という目的を考えると、終身年金が選べる場合は、終身年金を選ぶことも真剣に検討すべきだと思う。これはいつまで長生きするか分からないからだ。万が一の長生きリスクのために、生活資金を十分確保する必要がある。終身年金が選べない場合はなるべく年金受取期間が長いものを選択すべきだと思う。

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

複数ページをまたぐ記事です

記事の最終ページでミッション達成してください