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中国の「監視社会化」を考える(5)──道具的合理性が暴走するとき

ニューズウィーク日本版 / 2019年2月27日 13時26分

特に、テクノロジーがもたらす利便性に肯定的であったり、中国におけるビジネスの面白さに魅せられたりしている人たちこそ、この連載で述べたような、少々気が滅入るような問題に対しても関心を──決して排他的なナショナリズムの観点からではなく、中国の人々と『良き隣人」として付き合っていくためにも──持っていただきたいと考えています。私はテクノロジーについても民族問題に関しても決して専門家ではないのですが、こういった観点から今後も関心を持ち、必要に応じて発言を続けていきたいと考えています。

(梶谷懐氏の連載記事は加筆の上、ジャーナリストの高口康太氏との共著としてNHK新書から出版の予定です。ご期待ください)。

参考文献
伊藤亜聖(2018)「加速する中国のイノベーションと日本の対応」『nippon.com』2018年4月16日(https://www.nippon.com/ja/currents/d00403/)。
稲葉振一郎(2016)『宇宙倫理学入門―人工知能はスペースコロニーの夢を見るか』ナカニシヤ出版
オーウェル、ジョージ『1984年』高橋和久訳、早川書房
ハクスリー、オルダス『すばらしい新世界』大森望訳、早川書房
長岡義博(2018)「ウイグル絶望収容所で「死刑宣告」された兄を想う」『ニューズウィーク日本版』2018年11月8日(https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2018/11/post-11257.php)
水谷尚子(2018)「ウイグル収容施設の惨状」『週刊金曜日』12月14日号
水谷尚子(2019)「共産党の網をかいくぐりウイグル支持の輪は広がる」『ニューズウィーク日本版』2019年2月22日(https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2019/02/-12-12.php)
山本龍彦編著(2018)『AIと憲法』日本経済新聞出版社
廉薇=辺慧=蘇向輝=曹鵬程(2019)『アントフィナンシャル―1匹のアリがつくる新金融エコシステム』永井麻生子訳、みすず書房
Heilmann, Sebastian (2016)," Leninism Upgraded: Xi Jinping's Authoritarian Innovations," China Economic Quarterly, Vol. 20, pp.15-22.
Human Rights Watch (2018) "Eradicating Ideological Viruses" China's Campaign of Repression Against Xinjiang's Muslims, September 2018.




梶谷懐(神戸大学大学院経済学研究科教授=中国経済論)


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