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トランプの公約「財政赤字の削減」は大嘘だった

ニューズウィーク日本版 / 2019年7月29日 17時30分

<トランプは大統領選で財政赤字の削減を公約に掲げたが、就任後赤字は膨らむ一方。元凶は軍事費と金持ち向け大型減税だ>

ドナルド・トランプは2016年の大統領選の公約として、大統領に就任した暁には財政赤字を解消すると有権者に約束した。だが実際には、就任以降、赤字は大幅に拡大しているし、今後もどんどん増加するとみられる。

保守派のニューステレビ局FOXニュースの司会者クリス・ウォレスは7月28日放送の番組で、このことについてミック・マルベイニー大統領首席補佐官代行を詰問した。トランプが政権引き継ぐ前、バラク・オバマ前大統領のもとでは財政赤字は減少し始めていたのに、とウォレスは指摘した。

「オバマ政権の1期目で2008年に始まった世界的金融危機に対処し、2期目は財政赤字が年平均11%縮小した」と、ウォレスはマルベイニーに言った。彼はトランプ政権で予算編成を指揮する行政管理予算局(OMB)局長を務めている。

「トランプが大統領に就任して最初の2年で、赤字は年15%増加した。国の借金は2兆ドル以上増えた」と、ウォレスは続けた。現在米議会で審議中の予算関連合意が成立すれば、借金は4兆ドル以上になるといわれる。

このような大幅な財政赤字の増加を、トランプ政権はなぜ支持できるのか、とウォレスはマルベイニーに尋ねた。特に、トランプが選挙中にまったく正反対の公約を掲げていた事実は見逃せない。

<参考記事>トランプの予測不可能な通商政策は世界もアメリカも貧しくする

選挙中の公約とは正反対

「われわれの予算教書を見て、認めてほしい」と、マルベイニーは、今年3月にトランプ政権が発表した2020年度会計予算案に触れた。「『議会に提出してもすぐに否決される』と言われることだが、実際に中身を見れば、ドナルド・トランプがこの予算で何をするつもりかわかるはずだ。財政赤字は縮小していくだろう」と、マルベイニーは主張した。

ウォレスはこう反論した。トランプは大統領就任後最初の2年は議会上下両院を共和党の支配下に置いていたが、それでも財政赤字を減らすことはできなかったではないか。

マルベイニーは、それは共和党議員のせいであって、トランプの責任ではないと言い、この共和党議員たちは「われわれの予算案をゴミ箱に捨てた」と言った。

マルベイニーが言及したトランプ政権の2020年度予算案は、トランプが2016年に大統領候補として有権者にした公約とは大きく矛盾する。

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