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「日本にも政治風刺はある、強かったのは太平洋戦争のとき」早坂隆×パックン

ニューズウィーク日本版 / 2019年8月9日 19時45分

パックン アメリカの文化で育った僕からすると、ジョークがないのは非常識。夜みんなで集まって、(ジョークがなかったら)どういう話をするのか、と思うわけ。日本の居酒屋に行くと、みんな笑っている。でも、ジョークを言っているわけでもなくて、なぜみんな笑っているのかと(不思議だった)。来日して、これを理解するのに結構時間がかかった。

ここでずばり聞きましょう。なぜ日本にジョークはないのか。

早坂 ジョークがない......確かに日本には、欧米にあるようなジョークを披露し合うという文化はない。でも、僕は日本のお笑いはすごくレベルが高いと思っている。

パックン それは僕も思っている。

早坂 自分が日本人だからということもあるけれど、僕は日本のお笑いが一番面白いと思っている。

パックン そうですね。僕がやるぐらいだから!



早坂 でも、ジョークに関して言うと、やっぱり家族で言い合ったりしないですからね。ルーマニア人を見ていると、家でお父さんが子供に対して、今日新しいジョークを聞いたから、と言ったりしている。子供はそれを聞いて、またどこかで話す。受け継がれていくジョーク文化がある。日本では、おやじが家族にジョークを言うなんてことはない。

パックン 日本にはアメリカの文化がたくさん入ってきている。これだけ洋服を着て、洋楽に近い邦楽を作って、洋画に近い邦画を作って、小説やノンフィクションの書き方もどんどん西欧に似てきていると思うが、ジョークは違う。不思議だ。

早坂 例えば、友達や同僚と飲んでいて、ジョークを言おうとなった場合に、日本では受け手が笑いに厳しいので、上手に言わないと、すぐに「つまらない」とか「さむい」となってしまう。ルーマニア人を見ていると、すべっても「つまらない」とは言わない。

パックン なんで日本人は、ジョークにだけあんなに厳しいのだろう。カラオケに行って、下手でも誰も文句言わないのに!

早坂 お笑いに関してすごく厳しい。アメリカでも、ジョークを披露した人間に対して最低限のリスペクトがある。そんなに「つまらない」とか言わないんじゃないか。

「近い国同士でジョークでやり合うのは、よくあること」

パックン 言わないですね。ジョークの文化が日本に浸透していない理由の1つに、日本が世界と文化を共有するところが少ないというのがあるかもしれない。だから、ウケない。

早坂さんは、日本人にウケるジョークばかり収集しているんですか。

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