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「走る哲学者」為末大が、競技人生を通してたどり着いた「熟達」にいたる「学びのプロセス」とは

ニューズウィーク日本版 / 2024年3月14日 6時48分

為末 ほとんどの人にとって「今見えている風景」というのは、実際には「何かが過ぎ去った後の風景」だと思います。それを追いかけても、たどりついた頃にはもう別の世界になっている可能性が高い。だとしたら、興味のないことに合わせ続けていくとつらくなってしまうはずです。ビジネスでは自分の興味と世の中のニーズの間を行き来する必要がありますが、日本では自分の興味をベースで動くことが弱いように感じるので、意識的にそれを肯定していっても良いのではないでしょうか。

──最後に、読者の方へメッセージをお願いします。

為末 『熟達論』では、私なりの幸福論、生きがい論について書いたつもりです。私は競技人生を通じて、自分が好きでやっていることと、国の代表として世界で活躍するという社会が要請する役割との間で生きてきました。なりたい自分と世の中から要請される自分との間で悩んでいても、何かを学びながら生きていくことで人は十分幸せになれるんじゃないかというのが、『熟達論』で伝えたかったメッセージです。

内容自体はなんでもいいんです。仕事や人間関係、あるいは趣味なのかもしれない。どんなことでも、それをやること自体が面白いと感じられることに熟達していけば、きっと幸せを感じられる。そういう感覚を意識しながら生きることで、楽しく学べる人が増えてくれたらうれしく思います。

為末大(ためすえ だい)

1978年広島県生まれ。スプリント種目の世界大会で日本人として初のメダル獲得者。男子400メートルハードルの日本記録保持者(2024年1月現在)。現在は執筆活動、身体に関わるプロジェクトを行うほか、アスリートとしての学びをまとめた近著『熟達論:人はいつまでも学び、成長できる』を通じて、人間の熟達について探求する。その他、主な著作は『Winning Alone』『諦める力』など。

◇ ◇ ◇

flier編集部

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