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10歳のとき、命を懸けた「冷たい社会への復讐」を誓った...泉房穂氏が語る、成功を導く成功を導く「力の源泉」

ニューズウィーク日本版 / 2024年3月28日 18時36分

そうして10歳のときに、自分の一生を捧げる誓いを立てた。冷たい社会を変えるために自分の命をくれてやる、それくらいの半端ない強さだと思っています。

四面楚歌の状況も変えられる

──その思いで実行されたことについて、助けてくれる人もいれば抵抗勢力みたいな方もいましたよね。泉さんは明石市長として、その強い信念で周りを巻き込んでいく力がありましたが、それにはどのような姿勢が反映されていたのでしょうか。

私には政治という場と、市長という立場の2つがありました。政治は利害関係のぶつかるところですから、すべての人が一瞬で「いいよ」となるのは難しい。方針転換に賛同する人も、転換されたくない人もいます。一方、市長は「大統領制」のような世界で、選ばれた者としての権限を行使できるし、トップダウン的なことも可能です。

その状況における私の姿勢をシンプルに表現するなら、「市民とともにやる」ということです。選挙も市民だけで勝ち切る。市長になった後も、市民たちの声を聞き、市民とともに街をつくるということを徹底してきました。

ビジネスの世界でもそういうことはあると思いますが、四面楚歌は覚悟のうえです。選んでくれた市民は味方でも、市長の仕事を取り囲む、職員、議会、マスコミ、国・県の「四面」はまったく味方じゃなかった。それでも、「四面」の外で歌っている市民は私を応援してくれていた。その市民の歌声が「四面」をも変えていったのです。

──市民がバックにいることが、ご自身を支えていた部分は大きかったのでしょうか。

後ろから支えられているというより、横に並んでいる気持ちです。私の場合は、「みなさんよろしく」ではなく、「私たちの街を私たちで変えよう」ですから、私はあくまで市民の一人。市民が撃たれそうになったら、横からそれを遮って「私を撃て」というような。そうして、理不尽な社会から体を張って市民を守る存在が私です。

市民のことを気にかけていれば、溺れかけていることもきちんと見える。だからそうした市民を助ける。助けられた側はその事実がわかっているし、それを見ていた周りの市民も「ありがとう」と言ってくれます。最初は、勝手な市長だ、顔を潰されたと考えていた職員や議会も、市民の声を聞いて徐々に変わっていく。

──市民がうれしがっていることを実感できると、市役所の方も変わるのですね。

そうなんです。政治は結果責任とよく言いますが、政治の結果は当選ではなく市民の笑顔です。それを意識していれば、市民の側も反応していきます。

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