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アメリカ製ドローンはウクライナで役に立たなかった

ニューズウィーク日本版 / 2024年4月16日 12時13分

この問題に関する本誌の問い合わせに対し、米国務省の報道官は、われわれは「ウクライナのパートナーが現在の戦闘環境において、とりわけ電子戦におけるロシアの高度な戦闘能力に対して、ドローンを使用する際に直面している困難な問題は重々承知している」と、文書で回答した。

国防総省は、「こうした問題に対処し、できる限り効率的かつ信頼性が高く、修理しやすいドローンを提供するため、防衛産業の協力企業及びウクライナ国防省と綿密に検討を重ねている」という。

文書はさらに以下のように述べている。

「国防総省は現代の戦闘及び電子戦の戦闘環境の厳しい要求に応え得る技術を特定・開発し実戦配備すべく、防衛産業との連携を強化し、ロシアの侵攻に対し、ウクライナの主権と領土の一体性を支えるため、可能な限り最善の複合的な戦闘能力を提供することに全力を尽くしている(中略)特定の作戦の詳細には言及できないが、われわれは同盟軍に提供するシステムを継続的に検証・改善し、作戦環境からの貴重なフィードバックを取り入れて、わが軍の戦闘能力を絶えず改善・刷新するよう努めている」

防衛関連情報サイト「特殊作戦部隊レポート(SOFREP)」のガイ・マッカードル編集主幹は本誌に対し、アメリカ製ドローンが中国製より高価なのは「間違いない」が、「リンゴとオレンジのように違う物を比べても意味がない」と語った。

「アメリカ製ドローンの多くは、驚くほど洗練された高度な性能を誇るが、戦場では時たま思わぬバグが出ることもあるだろう。だからこそ戦闘用のハードやソフトは絶えず更新され、磨かれなければならないのだ」と、マッカードルは言う。「安価な中国製ドローンはまさに安さが売りで、どんどん量産され、この戦争ではウクライナにもロシアに売却されている」

年間100万台を優に突破か

こうしたなか、ウクライナは同盟国頼みのドローン調達から脱出しようと、国産ドローンの増産を推進。機体に搭載されたカメラの映像を見ながら操縦できる一人称視点(FPV)ドローンや、無人艇──いわゆる「水中ドローン」の国産化も達成している。

マッカードルによると、ウクライナ製ドローンは、アメリカ製と中国製の「中間辺り」のグレードだという。

「スカイナイト、シャーク、レイバード3など、ウクライナの国産ドローンはたいがい、ホビーのドローン市場で出回っているような部品を使っていて、組立と操縦の手軽さを重視しているようだ」と、彼は話す。「これらのドローンは偵察用、標的用、小型爆弾搭載用など、用途に特化した設計になっていて......コストを大幅に抑えられる」

ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は昨年12月末の記者会見で、2024年には国産ドローンの生産台数を100万台の大台に乗せたいと語った。

ウクライナ戦略産業省のハンナ・ホプコー副大臣は今年3月、早めにこの目標を達成できそうだと見通しを語った。ウクライナのテレビに出演し、今では月産15万台の生産が可能だと発言したのだ。「既に年間100万台の目標を優に上回る生産体制が整っている」



ジョン・ジャクソン


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