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「50-50」を達成しても挑戦を続ける大谷翔平、今季見せた2つの新たな側面とは

ニューズウィーク日本版 / 2024年10月4日 17時28分

「うれしさと安堵と、同時に記録を作ってきた先輩方へのリスペクト。そういう気持ちでいます」。大谷は「50-50」を達成した直後の記者会見でそう語った。「早く決めたいともちろん思っていた。(49号から)1打席目で決められてよかった」

 ❝SHOHEI QUOTE_01❞
「今日まず、ここで(発表)して野球に集中しようと思ったのが1番です」
(2月29日、自身の結婚についてコメントして)

オールスター戦前のレッドカーペットに真美子夫人と登場(7月16日) UPI/AFLO

大谷には常に大きな期待が集まっていたが、昨年12月にドジャースと10年総額7億ドルの契約を結んだときに最高潮に達した。いま彼はその期待を上回り、新しいチームをさらなる高みへ連れて行こうとしている。

「彼は本気だ」と、ドジャースのデーブ・ロバーツ監督は言う。「全ての野球選手の頂点を極めようとしている。それには誰もやっていないことを成し遂げなければならない」

これが大谷と契約するようドジャースを後押しした要因でもある。大谷がいれば、チームはどこへでも行ける──そう思えるのだ。

大谷をドジャースに導いたのも、一番になりたいという彼の熱意だった。古巣のエンゼルスから、豊富な資金と勝利の歴史を持つ「隣町」のドジャースへの移籍は、大谷が初めてポストシーズンの優勝争いに加わるという保証に近かった。

「自分への期待にうまく対処するには、特別な人間、特別な頭脳でないといけない」と、ロバーツは言う。「彼がプレーするときは、チームの勝利に貢献することに集中する。そしてスタジアムのファンの50〜75%が、自分のプレーを見に来ていると知っている。これは大変なことだ」

今季見せた2つの新たな顔

メジャー7年目で初の地区優勝を果たした大谷(9月26日) BRIAN ROTHMULLERーICON SPORTSWIRE/GETTY IMAGES

今季の大谷は、新しいチームと同僚を知り、新しいクラブハウスのカルチャーに適応するというプレッシャーを背負っていた。おまけに3月に韓国・ソウルで行われた開幕シリーズのさなかに、長年の通訳で友人でもあった水原一平を違法賭博事件で突然失った。水原は6月に銀行詐欺罪などで有罪を認めており、10月25日に量刑言い渡しが行われることになっていた。

だが水原側は12月20日に延期するよう申し立て、裁判所がこれを認めた。10月25日はワールドシリーズ第1戦の日。偉大な選手から金を盗んだ罪で量刑を言い渡されるのに適切な日ではないと考えたのだろうか。

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