「50-50」を達成しても挑戦を続ける大谷翔平、今季見せた2つの新たな側面とは
ニューズウィーク日本版 / 2024年10月4日 17時28分
ドジャースと日本の深まる絆
今もインタビューには日本語で答えているが、大谷の英語力は向上していると関係者は語る。チームメイトとのコミュニケーションは、2018年にMLBデビューしたときよりずっと容易になったという。ドジャース移籍後に通訳が代わってからはさらにオープンになったと、監督も選手も口をそろえる。
❝SHOHEI QUOTE_04❞
「自信のある時しかいっていない」
(8月17日のカージナルス戦後、好調の盗塁について語って)
大谷を「センセイ」と呼ぶ二塁手のラックス GINA FERAZZIーLOS ANGELES TIMES/GETTY IMAGES
「新しいチームに来たら、他人の気に障ることをしないように気を付けるものだ」と、二塁手のラックスは言う。「でも、彼はシーズンが進むにつれてオープンになって、居心地がよさそうになった。自分らしくいられると感じているんじゃないかな。彼はとても素晴らしい人間だよ」
ラックスにとって印象深い個人的なエピソードは、自分の打席が終わるたびに大谷が近づいてきて、投手目線で話をしてくれることだという。
「彼のことを『センセイ』と呼んでいる。いつも打撃について質問するんだ。『君にはどう見える? どうすればいい?』と。そのたびに、いいフィードバックをくれる」
「僕らにとって楽しいのは、舞台裏をのぞき見できること」だと、リリーフ投手のエバン・フィリップスは語る。
「彼の毎日はどんな感じか。仕事に対する姿勢は? ルーティンは? 単に特別な才能の持ち主というだけじゃない。そのために彼がどれほど努力しているか。チームメイトとして、それを知るのは特別なことだ。そして僕らは試合で発揮される成果を目にする。それは本当に、本当に特別なんだ」
「大谷ウオッチャー」を自負する投手のフィリップス BRANDON SLOTER/GETTY IMAGES
大谷の古巣エンゼルスタジアムと新天地ドジャースタジアムは50キロも離れていないが、「居心地」には途方もない差がある。
9月26日、ドジャーブルーのユニフォームをまとった大谷は、メジャー7年目でついにエンゼルスでは味わえなかった初の地区優勝を果たした。大谷個人だけでなく、MLBにとっても朗報だ。最も人気のある国際的スーパースターが、ついにポストシーズンでプレーするのだ。
大谷は(同じく新加入の山本由伸と共に)ドジャースと日本の既に豊かな歴史に魅力的な新章を加えることになった。読売ジャイアンツは1961〜81年に5回、フロリダのドジャータウンでキャンプを実施。野茂英雄はドジャース在籍中にオールスター戦の先発とノーヒットノーランを達成した。
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