「イランは無防備」「50年に1度の大チャンス」...中東大戦へのカウントダウンが始まったのか?
ニューズウィーク日本版 / 2024年10月9日 13時16分
米インディアナ大学のフセイン・バナイ准教授(国際政治)は「イランはイスラエルに対し、軍事標的を狙った限定的な交戦は構わないと示唆している」と言う。
「だがもしネタニヤフが、イランによる10月1日のミサイル攻撃への報復として、それを超える規模の攻撃を行う選択をすれば、イランはエスカレーションを抑える戦略を放棄せざるを得ない可能性がある」
バイデンの影響力は?
それでも、まだバイデンがこの問題でイスラエルに対して影響力を発揮できる可能性はあるかもしれない。
イランとの戦争が拡大すれば、アメリカは軍事面および諜報面で、イスラエルに今とは桁違いの協力を行う必要がある。さらにイスラエルの国家安全保障当局には、とりわけハマスやヒズボラの掃討が終結には程遠いという認識から自国の過信や傲慢を警戒する声が多くある。
「彼らは経験豊富で思慮深く、冷静なプロだ」と、ノビクは言う。「米軍に敬意を持ち、バイデン政権からの前例のない支援に感謝し、アメリカの国家安全保障に影響を及ぼす問題については米政府と緊密な調整を行う必要性を真剣に受け止めている」
バイデンは10月2日、イスラエルがイランの核施設を攻撃することを支持しないと記者団に表明した。また、アメリカと西側の同盟諸国がイランへの新たな制裁を検討していると明らかにした。しかし米当局者は、イスラエルはイランに何らかの攻撃を行うだろうと予想している。
「イスラエルが今後どうするかについて、イスラエルと話し合う予定だ」と、バイデンは言った。
そして、ほかのG7指導者との間には「イスラエルには反撃の権利があるが、その反撃はイラン側の攻撃と釣り合う規模にすべきだという点で合意がある」と語り、「イスラエルには助言を行っており、近いうちに(ネタニヤフと)協議する予定だ」と付け加えた。
バイデンの助言は受け入れられるのか。それとも、より大規模な戦争が勃発するのか。答えは今後数週間のうちに明らかになる。
From Foreign Policy Magazine
この記事に関連するニュース
-
イスラエルを支持することは米国にとって何を意味するか―独メディア
Record China / 2024年10月8日 7時0分
-
ハマス奇襲から1年。「イランの核をまず叩け」と煽るトランプに対するイスラエルの「回答」は
ニューズウィーク日本版 / 2024年10月7日 16時54分
-
イラン「イスラエル攻撃」これから何が始まるのか 水面下で全面対立回避の努力が行われていたが
東洋経済オンライン / 2024年10月3日 16時15分
-
イランが弾道ミサイル攻撃、180発超 イスラエルは報復示唆
ロイター / 2024年10月2日 8時7分
-
中東は全面戦争に突入寸前、レバノンは「もう一つのガザ」になる
ニューズウィーク日本版 / 2024年9月24日 16時26分
ランキング
-
1大型ハリケーン「ミルトン」がフロリダ上陸、700万人以上に避難命令…大統領選に影響の可能性も
読売新聞 / 2024年10月10日 11時32分
-
2ロシアが西部クルスク州の2集落奪還と主張 ウクライナ、露軍弾薬庫攻撃と発表
産経ニュース / 2024年10月10日 8時18分
-
3アジア系米国人への憎悪がネットで増加、ハリス氏ら台頭で=報告
ロイター / 2024年10月10日 12時5分
-
4イランへの報復で「重要な決定が下された」 イスラエル・メディア報じる イスラエル国防相「攻撃は致命的で正確で驚くべきものになる」
TBS NEWS DIG Powered by JNN / 2024年10月10日 12時4分
-
5台湾総統、中国による「併合に抵抗」
AFPBB News / 2024年10月10日 13時23分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください