宇宙でしてみたい実験は? 米田あゆさんと諏訪理さんに聞いた「宇宙飛行士」としての自覚と興味、AI観
ニューズウィーク日本版 / 2024年11月8日 20時0分
「宇宙開発は過渡期にあり、国際宇宙ステーションの時代から探査の時代に入ってきている。そこに様々な商業的なプレイヤーの参入もある中で、変わっていく環境に適応しつつ、貢献できる宇宙飛行士を目指したい。また、その中でしっかりと科学的な成果などを創出し、それを地球に届けるといったことにも貢献していける宇宙飛行士になりたい」(諏訪さん)
「月面に降り立つ最初の日本人」になる可能性
また、2人は選抜の段階から、月面探査を想定した募集・試験となっていました。米国が主導する国際有人月探査「アルテミス計画」に参加する日本は、4月に米国側と日本人飛行士2人が月面着陸することを正式に合意しました。米田さん、諏訪さんは、月面に降り立つ最初の日本人になる可能性があります。
月面探査への思いについて、2人は次のように回答しています。
「基礎訓練の間は、天文学や惑星科学を学んだり、実際にローバーが開発されている現場で開発者とお話ししたりした。日本人宇宙飛行士のうち、誰になるかはまだ分からないが、我々のチームの中の誰かが月に行くことになるので、月に行くにあたって何が必要なのか、改めて考えさせられると思っている」(米田さん)
「月探査へ向けての技術開発が進む中、それを間近で見ながら基礎訓練ができたというのは本当に幸せなことだったなと思っている。月を目指すことは科学的な意義もあり、そのこと自体がわくわくする。今後10年、20年の大きなプロジェクトになっていくので、その中で自分ができることは何なのかを常に考えて進めていこうと気持ちを新たにした」(諏訪さん)
記者会見の質疑応答で、筆者は「認定を受け、"候補者"から"飛行士"になって、自分の中で何が一番変わったか」について尋ねました。
諏訪さんは「訓練はこれからも続いていくし、より難易度の高い訓練に挑んでいくことになる。今まで基礎訓練で学んだことをベースに頑張っていかないと、と気分を新たにしたところだ」と回答。
「これまでは一方的にインプットをいただくだけであったのが、今後はちょっとずつアウトプットも求められる、そんなフェーズになってくると思うので、今の立場で何ができるのかを考えながらやっていきたい」
米田さんは「候補者だったときには、まず宇宙飛行士になるための訓練を積むところに主眼が置かれていて、本当にたくさんのことを学んだ。そして今回、宇宙飛行士になってからの数日間は、宇宙飛行士としての責任は何なのかを考えることがあった」と答えました。
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