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宇宙でしてみたい実験は? 米田あゆさんと諏訪理さんに聞いた「宇宙飛行士」としての自覚と興味、AI観

ニューズウィーク日本版 / 2024年11月8日 20時0分

「これまで教えていただいたことを糧に、私は何が恩返しできるのか、それを考えながら責任を果たしていきたいと思っている」

◇ ◇ ◇

これらのやりとりを踏まえて、記者会見の数日後に独自インタビューを行いました。取材用の部屋で待っていると、定刻にJAXAのブルースーツ(訓練やオフィシャルな場で宇宙飛行士が着用する青いツナギ)を身にまとった米田さんと諏訪さんが、「よろしくお願いいたします」と元気に登場しました。

──私の「おふたりがすごくユニークだな」って思うところの1つに、「自分たち宇宙飛行士が専門性を活かして、今後の宇宙開発にどんな研究が必要なのか考えていきたい、提案していきたい」という気持ちを強く感じることがあります。今までの先輩宇宙飛行士たちは、「与えられたミッションをしっかりこなしたい」っておっしゃる方が多かったので、「面白いな」と思って、久留さん(靖史・有人宇宙技術部門宇宙飛行士運用技術ユニット長)に「どうして2人は次世代型の考えをしているのか」と聞いてみたんです。そうしたら「2人は先輩の積み上げた高いところからスタートできるから、より遠くまで見渡せる」とおっしゃったんです。

米田・諏訪 (「おおーっ」という感嘆の声)

──はい、私も「おお、これは!」と思ったのですが、ぜひ、このコメントに対する感想と、ご自身で宇宙空間での実験をデザインできるとしたら、どんなことをして、どんな考察をしたいのか伺ってみたいです。

独自インタビューに応じる2人 筆者撮影

諏訪 本当に、やっぱり宇宙開発って、今までのながーい積み重ね、ISS(国際宇宙ステーション)に限らず、もう1957年にスプートニクが飛んでからの人類の努力の結晶だと思うんですよね。そこの上に我々の仕事が成り立っていて、ちょっとでも先に進めていくっていうのが新しい世代の宇宙飛行士、また我々の次の世代の宇宙飛行士も、そうやって歩を一歩ずつ進めていく、つまり、積み上げたものの上にさらにちょっと積み上げていくってことが、我々にとって重要な課題なのかなと思っています。

無重力の中での実験のデザインって、これは非常に難しいお題をいただいた気がするんですけれども、ISSから探査の時代になるっていうことを見据えて、私が地球科学をやっていたこともあると思いますが、今後、探査をしていく上で必要な技術を開発していくことは非常に重要だと思っています。今だったら、例えば水の再生利用システムをISSで実験しますが、そういう技術的な裏付けがあって初めて、月やその次の火星探査に活用できるというところがあります。

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