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新たな大谷翔平伝説が始まる...「ますますリスペクトされる選手に」

ニューズウィーク日本版 / 2024年11月13日 18時40分

出場したいという大谷の意思は固く、打撃練習を見たデーブ・ロバーツ監督も、たとえ100%の状態でなくとも大谷の存在がチームに役立つと最終的に判断した。

「いいスイングもあれば、少し違和感のあるスイングもあった」とロバーツは語ったが、結論は決まっていた。「彼が打席に立てば、チームにとって有利になるのは間違いない。ピッチャーが(けがのせいで)大谷に制約があると思うか、ないと思うか、どちらにしても、(真っ向勝負の)リスクを冒そうとする投手は多くないだろう」

「ストライクゾーンに集中して、いい球を見極め、打ちやすい球に反応してくれれば十分だ。改めて、彼がスタメンにいることを非常にありがたく思う」

勢いに乗ったドジャースは、その後も快進撃を続け、ヤンキー・スタジアムでの3試合中、2試合に勝利。優勝を決めてシャンパンファイトに酔いしれた。

10月26日、山本がワールドシリーズ初登板でほえる USA TODAY SPORTSーREUTERS

ドジャースはあらゆる面でヤンキースを上回り、ドジャーブルーに染まった大谷の初シーズンは、契約を結んだ昨年12月(わずか10カ月前だ)に思い描いていたとおりのフィナーレを迎えた。

「ドジャースが最も長くプレーしたシーズンに加わり、チームをよく知ることができて良かった」。ドジャースが敵地で行われた第5戦でワールドシリーズ優勝をもぎ取った後、大谷は通訳のウィル・アイアトンを通じてそう語った。

「入団1年目でワールドシリーズ優勝を経験できたことはとてつもない名誉だ」

今季のワールドシリーズはスーパースターだらけの象徴的な対戦で、とりわけナ・リーグとア・リーグのMVP受賞が確実視されている大谷とアーロン・ジャッジの対決が注目されたこともあり、アメリカでは多くの野球ファンがテレビにかじりついた。

シリーズの平均視聴者数はここ7年で最高の1581万人を記録。さらにMLB関係者を喜ばせたのは、日本でも平均視聴者数が1200万人以上に上ったことだ。これはMLB史上最多の快挙である。

大谷と山本由伸が活躍するとあれば、日本のファンが熱狂するのも無理はない。山本は今季、肩の負傷で3カ月間マウンドを離れたが、9月に復帰。ポストシーズンの試合には出場できた。ドジャースは投手陣が負傷続きで先発ローテーションが組みにくい状況にあり、山本の復帰で関係者は胸をなで下ろした。

10月11日、地区シリーズでダルビッシュと大谷が対戦 GINA FERAZZIーLOS ANGELES TIMES/GETTY IMAGES

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