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バカげた閣僚人事にも「トランプの賢さ」が見える...今後を占う「6つのポイント」

ニューズウィーク日本版 / 2024年11月21日 15時4分

BRANDON BELL/GETTY IMAGES

サム・ポトリッキオ
<テレビ司会者に買春疑惑、反ワクからロシアのスパイ関係者まで...「泥棒を警官」にするような閣僚人事連発で世界の度肝を抜いた第2次トランプ政権。今後の展開を6つのポイントで解説する>

来たるべき未来を透視するには歴史を掘り下げるのが近道だという。だから今、私は第22代と第24代のアメリカ大統領グロバー・クリーブランドの伝記を読み直している。

先週号でも指摘したが、先の大統領選を制してホワイトハウスへの復帰を決めたドナルド・トランプ次期大統領は、クリーブランドに次いで史上2人目の「非連続で大統領職を2期8年」務める男となる(同一人物の連続2期は1代として扱うが、非連続の2期は2代と数える。だから第45代のトランプは今度、第47代となる)。

さて、世に「歴史は繰り返さないが韻を踏む」と言うが、トロイ・セニックによるクリーブランド伝『鉄の男』を読むと、なるほどと思わされる。そもそもクリーブランドが2度までも大統領になれたのは「決して政治家に操られず、逆に彼らを軽蔑し、無視した」結果だと著者は書く。

クリーブランドには強靭な回復力とテフロン加工の鍋のように傷つかない強さがあり、だから誰も彼を止められなかった。

政治家たちが「蹴散らされたのは、彼の全てが鉄で出来ているように」見えたからで、クリーブランドはまさに「花こう岩を搭載した鋼鉄の船さながらに米国史を突き進んだ」のだった。

いかがだろう? もしもクリーブランドの名を伏せてこれらの文章を読ませ、さて誰の話かと問えば、たいていの人はトランプと答えるだろう。それはさておき、「トランプ2.0」を読み解くには以下のような問いに答える必要がありそうだ。

ホワイトハウスにトランプ次期大統領を招いて会談したジョー・バイデン大統領(11月13日) KEVIN LAMARQUEーREUTERS

1. 次期政権の最重要人物は誰か?

子供時代の私にとって、親兄弟に優るとも劣らぬほど大切だったのはNFL(全米プロフットボールリーグ)中継の伝説的名コンビであるパット・サマーオールとジョン・マッデンの声だ。後年には人気テレビゲームの声ともなり、大学生の頃までお世話になった。

だからトランプ陣営で辣腕を振るった選挙対策本部長スージー・ワイルズの過去を調べていて、なんとNFL中継の名手サマーオールの娘だと知ったときには仰天した。「トランプにとってのワイルズはジョン・マッデンにとってのパット・サマーオールか」と題する新聞記事があったのだ。

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