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「後輩を誘い2人だけ残って稽古」はNG? 演劇界「ハラスメント勉強会」が突き付ける根源的な問い

ニューズウィーク日本版 / 2024年12月5日 16時0分

また、制度的なサポートが充実してきたことも大きい。文化庁が2023年度の後半から講習や専門家を招へいする費用の半額(上限20万円)を助成するようになったほか、東京都の芸術支援組織「アーツカウンシル東京」でも一部の公演等の助成では、作品制作の費用とは別枠でハラスメント対策の費用が助成対象経費とされているという。

こうして舞台の世界でも広がりつつあるハラスメント対策の取り組み。だが、舞台芸術の世界では、一人のカリスマ性ある人物が集団を率いて創作活動を行うことが多く、かつてはそういった主宰者が稽古場で物を投げつけたり、執拗に「ダメ出し」をして同じ場面を繰り返し演じさせることは、半ば当たり前のこととして容認されてきた。

そういったある種のマインドコントロール的な人心掌握に長けたカリスマが、ハラスメントを行う人物として消えたときに、果たして舞台芸術のもつ魅力は削ぎ落とされることはないのか? ハラスメントのない安心・安全な創作環境づくりとともに、舞台芸術に携わる者たちに突きつけられる今後の課題だと言えるだろう。

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