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【超解説対談】第2次トランプ政権のキーワード「単一行政理論」「金ぴか時代」を読み解く

ニューズウィーク日本版 / 2025年2月12日 19時46分

――カリフォルニア、その周辺のネバダ、あるいはテキサスなども民主党支持の移民が増え、これからデモグラフィー的に民主党が強くなると4年前には言われたのですが、そうなってない。

これから2030年、2040年と進んでいくと、従来マジョリティーだった白人、いわゆるWASPがマイノリティになっていく。その中でヒスパニック系や黒人、アジア系が広がって、より多様性を求めるリベラルな社会になるというのが定説でした。

今回の選挙結果が示しているのは、必ずしもそうはならないということ。むしろ、保守化が進む可能性の方が高いと思います。

――アメリカ社会の変容の原動力は何なのでしょうか。

その多様性の反発に加えて、今回はやはりヒスパニック系の人たちがトランプ氏に多く投票しました。

ヒスパニック系は従来、多様性の観点から民主党支持だったわけですが、今回は特にヒスパニック系男性の18%ポイントが前回に比べてトランプ氏に多く流れました。元々カトリック系で保守的な価値観を持っていたことに加えて、ハリス氏が非白人で女性であるということも影響したと思います。ヒスパニック系の男性からすると、まだ非白人の女性大統領を受け入れることができなかった。

――後になって考えてみると、セレブがこぞってハリス氏を支持したのもまずかった。

民主党はもはや多くのアメリカ人にエリートの党、お金持ちの党と見られている。労働者階級、中間層が大事だと言いながら、結局は金持ち優遇じゃないか、金持ちたちの仲間内で盛り上がっているだけじゃないか、と。

――以前は民主党が労働者の党、共和党がエスタブリッシュメントの党だったのが逆転している。

今、まさに逆転したと思います。

――就任直後だけでも50本以上の大統領令を連発した。中には、アメリカの国是である出生地主義の否定のような政策も含まれている。どこまで本気か?

全部本気です。不法移民の対策に関するもの、出生地主義の問題も結局不法移民対策ですが、メキシコ湾をアメリカ湾にする、グリーンランド購入の話、全部本気です。

――全部本気ですか。

今回、大統領選だけではなく上下両院の連邦議会も赤(共和党勝利)になりました。いわゆるトリプルレッドですが、しかも連邦最高裁の判事も保守派が多数派になっています。

16年の選挙も実はトリプルレッドだったのですが、17年に1期目の政権を始めてみると、議会はトランプ政権がやろうとすることに反対し、最高裁も大統領令を止めるのでやりたいことができなかった。でも今回は共和党自体がトランプ党化している。トランプのやろうとすることに反対する共和党系の議員はほとんどいない。最高裁も自分が決めて選んだ保守派が3人入っているので、おそらくトランプ氏のやろうとすることを止めない。

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