【超解説対談】第2次トランプ政権のキーワード「単一行政理論」「金ぴか時代」を読み解く
ニューズウィーク日本版 / 2025年2月12日 19時46分
――トランプ氏自身に、自らの理想が南北戦争後のアメリカだという意識はあるのか。
これはわかりません。無意識かもしれない。本人はレーガン大統領と同じく50年代の、トランプ氏が知っているアメリカに戻したいと思っているのかもしれません。でも彼がやろうとしているのはニューディールの前、大きな政府・福祉国家になる前の「金ぴか時代」のアメリカに戻すことじゃないか、という気がします。
――閣僚人事について。驚くような人たちがどんどん閣僚になろうとしている。
一言で言うと忠誠心。これが全ての選考基準になっています。トランプ氏がやろうとすることを実現するのはもちろん、バイデン政権の間にトランプ氏は4つの裁判を起こされていますが、司法省に対する復讐のための人事も見られます。
もう一つはウォールストリート系の投資家たちを入れて、自分が進めようとしている経済政策をやらせる。そこに陰謀論者と思われる人たちも入ってこようとしているが、全て結びつけるのは忠誠心。いくつかのグループはあるが、トランプ氏の政策を実現するための閣僚ですから、トランプ氏に反対するような人は一切入っていない。
――第1次政権は四つ星の将軍やビジネスで成功したCEOが要所要所の閣僚ポストを担っていたが、彼らが常識を働かせてトランプ氏に反対するようになった結果、うまくいかなくなった。その反省を活かしている?
1期目はトランプ氏も自分が勝てると思ってなかったんです。だから人事の準備などもしていなかった。伝統的な共和党の人たちから閣僚を選んだ結果、やろうとすることに反対する人たちが出てきた。今回はもう入念に人事も含めて準備をし、その中で忠誠心を重視して進めてきた。
――能力よりも忠誠心?
能力よりも忠誠心です。
――忠誠心だけでアメリカ政府は回っていくのだろうか。
おそらく回らないと思います。やはり大統領の周りに異なる意見を持つ人たちがいて、初めてその政策はいい方向に行く。トランプ氏がやると言ったことをみんなでやるだけの閣僚たちになるので、非常に難しいと思います。
――各省庁の監察官をなくす、廃止するという動きも出ています。歯止めが利かなくなるのでは。
「金ぴか時代」と同じく、不正がまかり通る政治になっていく可能性は十分あると思います。
*後編に続く(2月19日公開予定)
小谷教授×長岡編集長の対談動画
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