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アフガニスタン問題を「クアッド」がどう対処できるか ~菅総理、日米豪印首脳会合に出席へ

ニッポン放送 NEWS ONLINE / 2021年9月15日 17時30分

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ニッポン放送「新行市佳のOK! Cozy up!」(9月15日放送)にジャーナリストの佐々木俊尚が出演。菅総理がアメリカで開催される日米豪印首脳会合に出席する方向で調整に入ったことについて解説した。

26日、アフガニスタン首都カブールの空港付近での爆発で負傷し、手当てを受ける男性(UPI=共同) 写真提供:共同通信社

菅総理、クアッド初の対面での首脳会合に出席へ

政府は9月14日、アメリカの招待により、菅総理がアメリカ、オーストラリア、インドとの4ヵ国首脳会合に出席する方向で調整していることを明らかにした。4ヵ国でつくる「クアッド」と呼ばれる枠組みで初めてとなる対面での首脳会合が、9月24日に開かれる。

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加藤官房長官)米国からの招待を踏まえ、日米豪印による協力の推進や日米関係の強化の重要性に照らし、諸般の事情が許せば、菅総理はワシントンDCを訪問し、日米豪印首脳会合に出席する方向で調整を開始したところであります。

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新行)対面での首脳会合ということで、クアッドの焦点になるのはどういうところだと思われますか?

佐々木)立憲民主党の泉健太政調会長が、ツイッターでこう書いています。

『我が国にとって首脳外交は重要。同盟国+友好国と会談する今回の訪米は特に。立憲民主党は外交と対話を重視する政党なのだから「卒業旅行」などと批判すべきではない』

~泉健太・立憲民主党政調会長 ツイッターより

それを読んでみんな、「卒業旅行」と批判している人がいるのか、と驚いているのですが。

「自由で開かれたインド太平洋」こそが安倍外交最大のレガシー

佐々木)確かに、任期は9月いっぱいなので、そういう話になるのですが。なぜアメリカ、オーストラリア、インド、日本の4ヵ国なのかと言うと、その基調となるのは、第2次安倍政権で打ち出した「自由で開かれたインド太平洋(FOIP)」の理念なのです。

新行)自由で開かれたインド太平洋。

佐々木)日本の外交はこれまで受け身だと言われ続け、「アメリカの核の傘にいて、自分では何もできない」と言われていた。そのなかで戦後70年が経ち、初めて打ち出した素晴らしい理念が、「自由で開かれたインド太平洋」です。これこそが安倍外交の最大のレガシーだと思います。

2021年3月12日、テレビ会議に出席する菅総理~出典:首相官邸ホームページ(https://www.kantei.go.jp/jp/99_suga/actions/202103/12tv_kaigi.html)

どうやってインド太平洋地域の平和を保つか~21世紀の国際社会における最大のテーマ

佐々木)もちろん対中国というのもあるのだけれど、同時に世界の中心がヨーロッパからインド太平洋の方に移りつつある。経済的な中心点はこちら側に移って来ています。だからこそ、ヨーロッパもいまはこちらに目を向け始めていて、イギリスやフランスも艦隊を送って来ているわけです。

新行)ヨーロッパも。

佐々木)そういう状況のなかで、「どうやってインド太平洋地域の平和を保つのか」ということが、今後の国際社会において、21世紀最大のテーマになるのではないでしょうか。もちろん、中国やロシアの危機というのもあるのだけれども。

新行)国際社会の最大のテーマ。

佐々木)この4ヵ国の首脳会議は、とても重要な意味を持っていると思います。ただ、いろいろな問題が起きていて、1つはアフガンの問題です。アメリカはアフガンから撤退したので「もう知らない」という話です。

新行)撤退しました。

佐々木)日本とオーストラリアからすれば、アフガンに援助はしていますけれども、遠い国だし、地政学的に関係のあるところではない。一方で、インドは地理的に近いわけです。その上、インドとパキスタンは仲が悪い。そのパキスタンは、タリバンの勢力を援助していると言われ続けています。

新行)そうですね。

佐々木)インド、パキスタン、アフガンの関係を考えると、インドにとってアフガン問題はいま、とても重要なわけです。そして、タリバンが中国とどういう付き合い方をするのかということが注目を集めている。

新行)一帯一路や、ワクチンの供給を表明していたり。

佐々木)一帯一路の1つの失われたミッシングリンクを、そこで埋めることにもなる。そしてアフガンは地政学的にも、重要な場所にあるわけです。クアッドがどのように対処できるのか、そもそもできないのではないかという話もあります。こういうところにきちんと向き合えないと、インドがクアッドから離れてしまう危険性もあると言われています。「そこをどう議論するのか」というのが、今回の最大の注目点ではないでしょうか。

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