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まるで呪文? 「ニングヮチカジマーイ」にいまの時期は要注意

沖縄タイムス+プラス / 2024年3月29日 17時0分

 

 「うちなぁ季節めぐり」のコラムを担当させていただいて4カ月がたちました。コラムのスタートに向けて沖縄タイムス社での打ち合わせの際に、二月風廻り(ニングヮチカジマーイ)の季語について、「初めて聞いた時に呪文かと思いました」という担当の大門雅子デスクの言葉が忘れられませんでした。

 今回は、その呪文のような言葉、ニングヮチカジマーイについてです。

二月風廻り(ニングヮチカジマーイ)とは

 二月風廻り(ニングヮチカジマーイ)とは、沖縄の方言で旧暦の2月に天気が急変し、風の廻り(変化)が早くなり、天気が荒れる現象です。

 ニングヮチカジマーイの原因は、台湾付近で発生した低気圧が急激に発達しながら沖縄付近を通過する際に起こるものです。過去にはニングヮチカジマーイによるものとみられる海難事故が発生していて、昔から漁師に恐れられてきた気象現象です。

「通り過ぎるのを待つ」

 以前漁師の方と話をする機会があり、「ニングヮチカジマーイの前の波の状態はなぎだけれども、いきなり雨が降ってきて北風が吹いて怖い」「海が荒れるのは、潮の流れを見て分かる」「ニングヮチカジマーイが来るときは何もしない。船を降ろして通り過ぎるのを待つだけ」と話していました。

 本日3月29日(旧暦2月20日)は、まさしくニングヮチカジマーイの気圧配置となっており、沖縄地方は前線が通過した後、南よりの風から北寄りの風に急激に変化しています。

 “呪文”という言葉は、うちなーんちゅの私にとって非常に新しい感覚と新しい視点でした。

 二月風廻り(ニンガチカジマーイ)はまさしく呪文のように覚えていただきたい“沖縄の防災季語”であると考えています。

 これからは海水浴や潮干狩りシーズンに入りますが、海にお出かけの際は予報を小まめにチェックすることが大切です。

4月以降 周期的に雨

 4月14日(日)にかけての那覇の天気と気温の予想を見てみましょう。基本的に曇りがちな天気が続く予想で、周期的に雨となる予想です。これは、沖縄付近が前線や湿った空気の影響を受けやすいためです。また、湿気をたっぷり含んだ空気の影響でジメジメと感じられそうです。最高気温は25℃を超えて夏日となる日が続く予想です。食べ物の管理にも注意が必要です。

新年度は広範囲で雨のスタート

 3月30日(土)の沖縄本島地方と先島諸島は、朝は雲が出る所も次第に広く晴れる見込みです。一方、大東島地方は前線の影響を受けるでしょう。曇りや雨の天気で、所により雷を伴うでしょう。落雷や突風にご注意ください。

 31日(日)からは再び前線や湿った空気の影響で、曇りや雨の天気が続きそうです。

 新年度スタートの4月1日(月)は、沖縄本島地方と先島諸島の各地で朝から雨が降る見込みです。通勤通学の時間帯と雨のタイミングが重なるため、時間に余裕を持って早めに家を出ることを心がけると良さそうです。車の運転にもお気をつけください。大東島地方では、朝は日差しがあっても午後から雨が降り出す見込みです。

崎濱綾子
気象予報士/防災士(株式会社ウェザーマップ)
 沖縄県宜野湾市生まれ。ミスはごろもとして地元の観光大使を務める。RBC琉球放送でラジオ・テレビのリポーター、QAB琉球朝日放送で気象キャスターを担当。2005年に沖縄初の女性気象予報士となる。2005~2016年3月までRBC琉球放送の夕方のニュース番組で月~金曜日の気象キャスターを担当。2016年4月から東京の本社で勤務。Yahoo!ニュース動画出演・記事執筆を担当。Yahoo!ニュースエキスパート。好きな天気現象は、夏至南風(カーチーベー)。

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