『キャプテン翼』ネーム形式で週刊連載へ 今夏よりWEB掲載 あす漫画連載43年に幕で作者・高橋陽一「漫画家は引退」
ORICON NEWS / 2024年4月3日 0時0分
サッカー漫画『キャプテン翼』(作者:高橋陽一 63歳)シリーズの漫画連載が、あす4月4日発売の『キャプテン翼マガジンvol.20』で終了し、1981年より続いたシリーズ連載が43年の歴史に幕を下ろす。今後の物語について集英社は本日3日、今夏より掲載の場を新たに立ち上げたWEBサイト『キャプテン翼WORLD』に移して、鉛筆描きの「ネーム形式」で週刊連載していくと発表した。
【画像】鉛筆描きでも十分読める!公開された『キャプテン翼』新章のネームページ
漫画連載の終了理由は、作者・高橋氏の体力の衰えや執筆環境の変化により、漫画を描くことが困難になってきたことが理由で、まだ構想がある今後の物語をすべて漫画化すると40年以上かかることから、ペン入れなし、トーンも貼られていない状態のネームの形で制作を継続。この方法について高橋氏はコメントを寄せ「執筆ペースが速まり、みなさんにこの先の物語をお届けできるペースも速くなる予定です」と説明した。
新WEBサイト『キャプテン翼WORLD』で連載がスタートする、鉛筆描きの「ネーム形式」による新章のタイトルは『キャプテン翼ライジングサンFINALS』。サイトの本オープンに先駆けて、あす4日にはティザーサイトがオープンし、『キャプテン翼ライジングサンFINALS』の第1話(27ページ)が公開される。
また、今後の『キャプテン翼』の展開としては、漫画『キャプテン翼ライジングサン』最終20巻、『キャプテン翼MEMORIES』最終3巻が6月4日に同時発売されることを記念して、6月8日に紀伊國屋書店新宿本店で高橋氏のサイン会を開催する。
さらに、『キャプテン翼』連載43年の歴史を振り返る原画展が今夏に日本橋三越で開催されることが決定。魂のこもった原画を間近で見ることができるチャンスで、これから始まる「ネーム連載」の生原稿も展示予定となっている。
高橋氏の漫画家デビュー作品となる『キャプテン翼』は、サッカーの天才少年・大空翼を主人公に、翼やそのチームメイト、ライバルたちの成長を描いた物語。爽やかなストーリーと個性豊かなキャラクター、そして誰もが真似したくなる迫力のある技の数々で一躍大人気となり、国内外で多くのプロサッカー選手誕生のきっかけになるなど、現実世界に大きな影響を与えてきた。
1980年4月に『週刊少年ジャンプ』にて読切作品として掲載、81年3月から同誌で連載をスタートさせ、翼の小学生~ジュニアユース時代を描いたのち、88年22号で連載が終了すると、翼の成長にあわせ物語の舞台を移し、これまで数々のシリーズを連載させてきた。
『週刊少年ジャンプ』にて『キャプテン翼<ワールドユース編>』、『週刊ヤングジャンプ』にて『同 ROAD TO 2002』、『同GOLDEN-23』、『同 海外激闘編 IN CALCIO 日いづる国のジョカトーレ』、『同 海外激闘編 EN LA LIGA』を掲載。そして現在の最新シリーズ『同 ライジングサン』を『グランドジャンプ』で2013年末から2019年まで連載し、2020年からは発表の場を『キャプテン翼マガジン』に移し連載。コミックスの全世界シリーズ累計発行部数は9000万部以上で、テレビアニメ化、ゲーム化もされた。
作者の高橋陽一氏は、1960年7月28日生まれ。東京都葛飾区出身。第10回月例フレッシュ☆ジャンプ賞入選作品として、「週刊少年ジャンプ」に読切『キャプテン翼』が掲載されデビュー。翌年連載を開始、サッカー漫画の金字塔と呼ばれる作品となった。
■高橋陽一氏のコメント全文
いつも『キャプテン翼』を応援していただき、ありがとうございます。連載最終話を描き終えた今は、すべてを描き終えてホッとしているのと、この先やっと“〆切”というものがない生活を送れるという解放された気分でいる状態にあります。
これで漫画家は引退しますが、絵を描くこと、ストーリーを考えることはまだ好きなことなので、それらはこれからも続けていくつもりです。もしかしたらセミリタイア的な感じになってしまうかもしれませんが、創作活動は続けていくつもりです。
今後の『キャプテン翼』は、「ネーム」という形で新たに立ち上げられた『キャプテン翼WORLD』というサイトに1話1話をアップしていく予定です。ペン入れはなく、トーンも貼られていない状態ですが、そのぶん執筆ペースが速まり、みなさんにこの先の物語をお届けできるペースも速くなる予定です。
雑誌発売に合わせた“〆切”や“決められたページ数”や“決められた原稿サイズ”がないぶん、これからはより自由な表現方法で皆さんにエンターテインメントをお届けできるのではないかとも思っています。
思えば僕の漫画の原点は、小学生高学年の時に見よう見まねで真っ白いノートに鉛筆描きでオリジナルの漫画を描き始めたことでした。できあがったものは弟や近所や学校の友達にも見せて回っていました。それが僕の漫画家としての出発点でした。その時と同じことを今、僕は始めようとしています。鉛筆描きでの漫画連載です。失敗したらそれはそれでしょうがない、まずはとりあえずトライしてみよう!!それが今の僕の偽らざる心境です。
『キャプテン翼』の物語はまだ終わりません!それは事実です。これまでと同じように、これからも『キャプテン翼』をよろしくお願いします。
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