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『南海トラフ巨大地震』題材の漫画アクセス急増で売上18倍 担当編集者は複雑な心境「手放しで喜べるものではありません」

ORICON NEWS / 2024年9月3日 8時0分

『南海トラフ巨大地震』コミックス第1巻

 漫画『南海トラフ巨大地震』が、8月8日に宮崎県南部で発生した震度6弱の地震の影響を受け、掲載している漫画アプリ『マガポケ』のアクセス数が急増していることが、講談社より発表された。ORICON NEWSの取材に担当編集者は「手放しで喜べるものではありません」と複雑な心境を打ち明けた。

【画像】街が崩壊… 宮崎県で地震発生時に描いた『南海トラフ巨大地震』原稿

 2023年5月より「現代ビジネス」にて連載がスタートした同作は、フィクションでありながら、過去に実際に起きた災害を丁寧に取材して「南海トラフ巨大地震」を題材にした物語。

 地震発生時、名古屋港にいた主人公・西藤命は、変わり果てた街の姿を目にし、「大津波警報」が発令されるなか、安全な高台へ逃げようとするが、そばには「ケガを負って動けない高齢者」が…。見捨てるか、それとも助けるか。迫られる究極の決断。そして襲い来る「見えない津波」の恐怖。いつか必ず起こる未曽有の災禍。そのとき、いったい何が起きるのか?どうすれば、生き延びることができるのか?綿密な取材に基づいて描かれた「いつか起こる震災のリアル」を描いている。



 連載当初より「現代ビジネス」では10,000,000PV超え、コミックス第1巻は発売後即重版がかかるなど注目されており、コミックス第2巻では防災アドバイザー高荷智也氏による防災ガイド26ページも収録されている。

 漫画は『マガポケ』でも連載中で、講談社によると7月の後半からアクセスが急増しており、7月30日より最新話以外全話無料公開を実施していたところ、この間の『マガポケ』における売り上げは通常時の18倍になったと説明。

 これは話題漫画『しかのこのこのここしたんたん』がアニメ放送により最も注目されたタイミングの数字と同等で、同期間は最新話以外全話無料中のため、売上には最新話しか含まれていない。さらに8月8日、「南海トラフ大地震」についての記事が報道媒体から多数掲載されると、その影響を受け、アクセス数はさらに増加した。

 一連の反響について担当編集は「本作には、津波や焼死などのショッキングな表現が登場します。実際に震災を経験した方も多くいらっしゃるなかで、こうした表現を描かざるを得ない「巨大地震」という題材を漫画作品として扱うことには、編集担当として当初は迷いもありました。災害をエンタメ化して面白がっていると、そう感じられる方もいるのではないかと思ったためです」と告白。

 「一方で、漫画にすることで、テキストや映像ではできない伝え方をすることができるという確信もありました。漫画だからこそ手に取ってくれるという読者は、おそらく少なくないのではないかと考えたためです。それによって、本作が少しでも読者の方の防災意識の向上に結び付くのであれば、それは人命を守ることにもつながる非常に意義の大きいことだと思います」と作品を世に送り出す理由を説明した。

 「そしてなにより連載開始前には、作者のbiki先生、よしづきくみち先生の両先生からも『社会的意義が大きいので、ぜひやりたい』という旨の言葉をいただくことができていました。単なるエンタメではなく、読者の未来に資する作品に。そうした想いを、両先生と編集部で共有できていると感じたことから、担当としてもあらためて本作を世に送り出したいという思いを強くしました」と強調。

 そんな中で8月に宮崎県で大地震が発生し、「南海トラフ地震臨時情報の発表を受けて本作が注目を浴びたことは、手放しで喜べるものではありません」と複雑な心境を明かしながらも、「しかし、結果として本作が少しでも読者の皆様の防災意識の向上につながるのであれば、本作を世に送り出した意味があったと思います」と手応え。

 「本作の単行本には、漫画だけではなく防災に役に立つ解説記事も収録しています。こうした情報も、ぜひ読者の皆様の震災対策に役立てていただければ嬉しいです」と呼びかけた。

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