NASAの新宇宙船オリオン 巨大な施設で環境試験開始
おたくま経済新聞 / 2019年12月17日 11時34分
環境試験施設での試験に臨むオリオン宇宙船(Image:NASA)
NASAが月や火星への有人探査のために使用する新型宇宙船オリオン。2020年に予定される最初の打ち上げミッションを控え、オハイオ州にある巨大な施設で宇宙空間を模した環境試験が始まりました。
オハイオ州にあるNASAのグレン研究センター。ここに、宇宙船や人工衛星が宇宙空間で問題なく機能するかを確かめる環境試験施設「プラム・ブルック・ステーション」があります。
施設のメインとなるのは、宇宙空間と同様の真空状態で、地上よりも強烈な太陽光で生じる高熱状態などを生み出す「スペースチャンバ」と呼ばれるもの。直径30m、高さ36.6mの巨大な設備です。
11月にフロリダ州のケネディ宇宙センターから、NASAの巨大輸送機スーパーグッピーで空輸されたオリオン宇宙船。空港からグレン研究センターまでは、全長約40mもある巨大な38輪トレーラーに載せられ、陸路で運び込まれました。
グレン研究センターのプラム・ブルック・ステーションに到着したオリオン宇宙船は、梱包を解かれて「ヒート・フラックス・システム(Heat Flux System)」と呼ばれる試験用フレームへ据え付けられました。周囲は熱を遮断するBoPET(2軸延伸PETフィルム)製のフィルムで覆われ、試験中に加える熱が逃げないよう保温します。
スペースチャンバーに入れられたオリオン宇宙船は、徐々に内部の気圧を低くして真空状態にし、太陽光が直接当たった場合を想定した高熱にさらされる予定。過酷な熱環境での試験は、63日間続けられます。
<出典・引用>
NASA ニュースリリース
Image:NASA
(咲村珠樹)
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