1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. ライフ
  4. カルチャー

モラハラ夫は否定しかしない。家庭に「心理的安全性」がないがゆえに、嘘や隠し事をせざるおえなくなるという現実

OTONA SALONE / 2024年3月17日 21時0分

夫婦問題・モラハラカウンセラーの麻野祐香です。結婚前はいつも自分のことを認め、褒めてくれていた夫だったのに結婚後は真逆になってしまったことで悩んでいる女性は少なくありません。それがモラハラだとわかっても、経済的理由や子どもの養育の問題で離婚を決断できない方が多いのも現状です。モラハラの闇はとても深いものです。そんなモラハラについて長年に渡りカウンセリングを続けてきた私なりの対策をお伝えしています。

今回は何を話しても夫は必ず否定するので、夫には何も相談できない、夫には何も言えないというS子さんのお話です。S子さんは夫の否定や文句や暴言に悩まされ体調までおかしくなってしまっています。

 

モラハラ夫は全てを否定する。それがわかるから妻は何も言えなくなる

S子さんは夫に「そうだね」「それは大変だったね」と言う言葉を言ってももらったことがないそうです。
「掃除機が壊れた」と相談しても「使い方が悪い」「普通の人は掃除機を壊すことなんてしない」とただ文句を言うだけ。決して解決するために手を貸してくれようとはしません。
「今日は体調が悪いから夕飯を作れなかった」と言っても「大丈夫か?」と言う心配の言葉はできてこないそうです。「主婦のくせに夕飯を作れないなんて主婦失格だな」「夫が疲れて帰ってくるのに自分の体調が優先か」と言い、思いやりの言葉とは程遠い返答ばかりだったそうです。

『色々なものが値上がりしている今、夫から渡されている生活費が足りない時も「お前が無駄使いしているからだ」と激怒されたのでもう夫にはお金が足りないなんて言えなくなっていました。私の独身の時からの貯金を切り崩して生活費に充てていました。母が入院した時も「俺は関係ない」と言い切った人なのです。夫婦なのに夫には何も言えない状態でした』

 

夫婦間の心理的安全性とは、お互いが自由に意見を表現し、感情を共有し、自分の心のうちを安心して話せる状態を言います。お互いを尊重し、理解し、思いやることが基本です。心理的安全性があれば、お互いに自分自身を偽らずに生きることができ、自分の想いを素直に言うことができるのです。しかしモラハラ夫がいる家庭では、何かを言っても否定、そして妻のせいにされるので自分の困っていることも相談できず、何か失敗をしたとしても夫に文句を言われるのが怖くて隠すようになっていくのです。

 

 

モラハラ夫の否定に反論しても、かえって「自分は価値がない」と思い込まされてしまう

S子さんは夫からの否定の言葉に耐えながら、それでも自分を認めてもらおうと努力していました。ある日、あまりの夫の言葉に我慢できなくなり、ついに反論をしたそうです。

「どうしていつも私のことを否定するの?なんで私のことを認めてくれないの。」

しかし、夫はS子さんの言った言葉に対して
「頭が悪いくせに自分が正しくて俺がまるでおかしいような言い方をよくできるよね。お前は自分を何様だと思っているんだ? 自分の価値のなさをわかってないのか」
と冷たく言い放ったそうです。

『私はそれ以上何も言えなくなってしまいました。毎回のように夫は私を頭が悪い、バカのくせに、常識がないと言うのでいつの間にか自分でも、自分は本当にダメな人間だと思っていました。自己肯定感はゼロの状態です。』

 

自分の気持ちを安心して素直に表現できない家庭は、心理的安全性が一切ない家といえます。夫との会話が怖くなり、夫がそばにいるだけで負担になり、心が落ち着かない。モラハラ夫のいる家庭では妻の心が休まる時はなく、相談もできず、いつ文句を言われるのかビクビクして夫の様子を伺いながら暮らすようになっていくのです。妻を否定し、何も認めない、妻を馬鹿にすることは、モラルハラスメントです。妻の言うことやること全てを否定し、自尊心を低下させ、自分が悪いんだと妻に思い込ませていくのです。その結果、妻は自分の感情や判断を信じられなくなっていくのです。

 

 

夫に怒られるのが怖くて、失敗を隠すようになるのは自分を守るため

『「家に大根があるのにまた買ってきちゃった」こんなことは失敗にもならず本当は笑って済ませられることですよね。でもこんなことさえ夫は「そんなことはありえない」「普通の人はやらない」「不注意すぎる」と怒り出すのです。夫から頼まれたものを買い忘れても素直に「忘れちゃった」なんて言ったら大変なことになるので「売り切れだった」と小さな嘘をついて誤魔化すようになりました。夫から頼まれたハガキをポストに入れるのを忘れてしまっていても「もう出したよ」と言うしかないのです。だって正直に話したら「役立たず」と言われるのはわかっているからです。夫に怒られること、否定されるのが怖くて失敗や忘れていたことなど何も話さないようになってきました。本当は夫に嘘はつきたくないのに嘘をついて自分を守るしかないんです。』

 

妻の失敗やミスをネタに何度も笑いものにしたり、怒ったりするのがモラハラ夫です。妻が「大根があるのに買ってきちゃった」と言ったら「誰でもあるよ。今日から毎日大根だね」と笑えることですよね。それが出来ずに怒ることしかしないモラハラ夫には、自分が怒られないように防衛反応から本当のことを言えなくなってしまうのです。モラハラ夫とはリンカーンが桜の木を切ったのは自分だと正直にいったと言う例は当てはまりません。正直に言った後に待っているのは、罵声と否定なので、自分を守るために必要なことなのです。

 

【前編】では、モラハラ夫のいる家庭では保つことができない「心理的安全性」とは? 妻が自分を守るために次第に、モラハラ夫へ嘘や隠し事をせざるおえなくなるという現実についてお伝えしました。

▶続きの【後編】では、モラハラ夫の否定によって妻の自尊心が低下するということ、それにともない体調不良などを引き起こすことについて、お話していただきます。__▶▶▶▶▶

 

 

 

≪モラハラカウンセラー 麻野祐香さんの他の記事をチェック!≫

 

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください