「えっ。平安貴族に生まれても、飲み会は必須!?」平安時代の姫は飲み会で、憂さ晴らしをしていた!?
OTONA SALONE / 2024年11月18日 22時31分
*TOP画像/実資(秋山竜次)ら貴族たち 大河ドラマ「光る君へ」 44話(11月17日放送)より(C)NHK
『光る君へ』ファンのみなさんが本作をより深く理解し、楽しめるように、40代50代働く女性の目線で毎話、作品の背景を深掘り解説していきます。今回は平安時代における「飲み会」について見ていきましょう。
◀この記事の【前編】を読む◀摂政と大臣を辞すことを決めた道長。頼通は道長の思いを受け継げるのか。__◀◀◀◀◀
「飲み屋」は平安時代より前から存在していた?お酒が苦手だと平安貴族は大変そう
忘年会シーズンが今年も近づいてきました。飲み会の席でおいしい食事とお酒を仲間たちと囲むことを楽しみにしている人、飲み会がすでに憂鬱な人などさまざまだと思います。ネクストレベル(横浜市)が運営する「ミライのお仕事」の調査では「「飲みニケーション」は必要だと思いますか?」という質問に「いらない」が27.0%、「どちらかというといらない」が37.5%という結果でした。現代では半数以上が飲み会の必要性を感じていないようですが、お酒の席は少なくとも1000年以上前から存在しています。
お酒を提供するお店の営業が日本ではじまったのは奈良時代というのが通説です。平安時代の初期に編纂された『続 日本書紀』には奈良時代の酒場である酒肆(しゅし)に関する記述があります。天武天皇の曾孫・葦原王は酒肆で一緒に飲んでいた仲間を刺殺したと綴られています。
平安時代、貴族たちはお酒の席に日常的に参加していました。季節のイベントや祝い事、儀式などが催されるときだけでなく、親しい者同士でお酒と食を楽しんでいました。
現代においても会社の飲み会では役職ごとに座る席が決まっていたり、上司を立てた振る舞いが求められたりしますが、当時も同様でした。天皇による神事の後、神に捧げられたお酒や神饌がふるまわれる直会(ならかい)では参列者が座る場所は身分によって決まっていました。席を立つことも認められておらず、かつ飲む順番も上座からと決まっていました。直会の後、今でいう二次会のような宴が催されました。宴は直会よりも自由度が高く、にぎやかなものであったといわれています。
当時は内裏においてさまざまな儀式が執り行われていましたが、酒宴も多く催されていました。また、神泉苑で催された管弦の宴、桜や梅の花を見ながらお酒をたしなむ宴など雅なものもありました。
平安貴族は19時頃に寝ていたといわれていますが、それは何もない日の話です。夜に宴会が開かれる日は遅くまで起きていたそうですよ。
貴族たちの宴は豪華で、参加者はキジ肉やアワビ、菓子など数々の料理をお酒とともに楽しみました。
道長の娘・妍子の心の中は誰にも分らない。彼女の頻繁な宴には悲しき理由が…。
藤原道長は宴が好きで、何かと宴を催していましたが、次女の妍子も宴を頻繁に催していたといわれています。また、彼女の宴はその派手さが有名です。『栄花物語』には妍子が年始の大饗を大々的に催しすぎたため、兄の頼道が妍子をとがめる場面があります。
妍子は自分よりも年上の三条天皇と結婚しますが、彼女が納得できる結婚だったのかは誰にもわかりません。三条天皇は妍子よりも20歳近く年上でした。その上、彼には娍子という女性、彼女との間に6人もの子どもがいました。しかも、長男は妍子と同い年。さらに、三条天皇は道長と相容れなかったため、彼女は夫と父が不仲という厳しい立場にありました。また、妍子は皇子を産めず、一条天皇との間に皇子を産んだ姉・彰子と自分を比べてしまうこともあったように思います。
明るく、おしゃれで、イケイケのイメージがある妍子ですが、彼女の心の中は本人のみが知ることです。妍子はこの世の憂さを晴らすために宴を催してばかりいたと考える有識者も少なくありません。
いつの時代も、多くの人にとって飲み会は日々の憂さを晴らす効果的な方法といえるのかもしれませんね。
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