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どうする?既婚女性が「不倫バレ」した瞬間【不倫の清算3】

OTONA SALONE / 2017年12月31日 18時30分

どうする?既婚女性が「不倫バレ」した瞬間【不倫の清算3】

年末年始の街に漂う幸福なムードとは裏腹に、恋人が家族と幸福に過ごす時間をひたすら耐え、連絡を待ち続ける「不倫女性」。
どうして彼女たちは妻ある男を愛してしまったのか。なぜ夫ある身で他の男性に身をゆだねたのか。
彼女たちは、幸福なのか。不幸なのか。
そこにあるのは欲なのか。純粋な愛なのか。
恋愛の裏のただひたすら聞き続けたひろたかおりが、「道ならぬ恋」の背景とその実情に迫る。

ある独身男性との出会い

 

–「あのスーパーもね、会員さんがパートしてるからいつ会わないか不安で……」

そう言いながら、C子(39歳)は下を向いてため息をついた。

待ち合わせはC子の家から近いカフェだった。「まだ中心街には行きたくない」と言われたとき、彼女の中に根強く残る不安が伝わった。

専業主婦であるC子は、日中は家で過ごすことが多い。会社員の夫とは結婚してもう10年で、子どもはいないが「好きなことをのんびり楽しめる」生活に特に不満はなかった。

大手のメーカーで秘書をしていたC子は、結婚を機に退社した。夫の仕事が忙しく転勤も視野に入れた生活になるため、結婚後は資格でも取って何処に行っても働けるように備えようと思っていた。現在もファイナンシャルプランナーの資格を取得するために勉強を続けている。

転機が訪れたのは去年のこと。以前の会社の元同僚が久しぶりに訪ねてきてくれて、近況を話しているときに街の中心地にあるスポーツジムに通っていることを知った。

その頃、体重が増えて運動不足が気になっていたC子は元同僚に誘われて見学に行き、想像以上に清潔で広い設備に感動してすぐさま入会したくなり、夫に通わせてくれるようお願いした。

「たまにはそんな息抜きもいいかもな」

と夫は承諾してくれて、無事にC子はスポーツジムに通うことになった。

現在のC子は、細身ではないが決して不健康に見えることはなく、太っていた面影はない。

「ジムを辞めてからも運動だけは続けているの。夜なら近所の人にも見られないから、ランニングしているよ」

と寂しそうに笑う。当時身に着けていたウェアなどは全部捨てた、と以前話していた。誰かに目撃されるのを恐れたためだ。

スポーツジムに入会すると、いろんな人と仲良くなった。性別や年代もバラバラで、これまで以前の会社と夫との生活しか知らなかったC子は大きな刺激を受けたという。

帰りにお茶をするような友人もできた頃、ひとりの独身男性と出会う。年下だがストイックにトレーニングする姿が印象的で、最初は近寄りがたい雰囲気があった。

だが、C子がダイエットの目的で真面目にスタジオレッスンなどを受けていることを知ると、マシンの使い方や効果的なストレッチなどを教えてくれるようになった。

「最初はまさかこうなるとは思わなかった」

とC子は何度も繰り返すが、彼との出会いが彼女の人生を大きく狂わせることになる。

 

止められない関心

彼と親しくなるにつれ、C子はどんどん興味を引かれていった。夫とは違う無骨な雰囲気や、これまで運動とは無縁の暮らしだったので教えてもらう知識も新鮮だった。何より、自分にはない若々しさ、筋肉の乗った体や今風の言葉遣いなどが、C子の心を動かした。

彼のほうもそんなC子を拒否することはなく、気がつけばサプリメントを買うという目的でふたりで買い物に行くようになっていた。

不倫、という言葉をこの頃からC子は意識していたそうだ。

「前の会社でも不倫している人たちはいたし、修羅場も聞いていた。でも遠い世界の話だと思っていたし、自分が『する側』になるなんて考えたこともなかった」

でも、彼への関心は深まるばかりだった。彼のほうもふたりのときはプライベートな話をしてくれるようになり、ジムに行けばまた顔を合わせる。そうなると引き際がわからなくなる。

LINEのIDも交換し、「今日は来るの?」というメッセージが彼から届くのを心待ちにしている自分に気がついたとき、C子は彼と一線を超えることを望んだ。

そしてある日、思い切って彼に告白する。「私は人妻だから、片想いでもいいの」と言うC子に対して、彼は「僕も好きだから」と腕を伸ばした。

そうして不倫の関係が始まった。

 

「他言無用」が通じない世界

彼との付き合いは順調だった。多忙な夫は彼女の浮かれた様子に気がついても「ジムが楽しくて良かったね」としか言わないし、ひとりの時間が長いので彼の都合さえつけば平日いつでも会えた。

彼を迎えに行って一緒にジムに通い、トレーニングが終わったらホテルに直行して行為を楽しみ、それから彼を降ろして帰宅する。そんな毎日に、C子の心はずっと興奮状態だった。

資格のための勉強時間は大きく削られたが、気にはならなかった。それより彼と過ごす時間のほうが大事。夫に不審がられないよう家事はちゃんとこなすし、夜のベッドも誘われれば付き合った。

バレさえしなければ大丈夫。「上手くやれると思った」とC子はうなだれる。

ひとつだけ不満があるとすれば、彼との関係を誰にも話せないことだった。

不倫なのだから当然とわかっていても、C子は誰かと話したくてたまらなかった。「不倫をしている自分」に舞い上がっていた、とその頃をC子は振り返るが、彼との「秘密の情事」を語りたいと思ったのは、そんな自分を知って欲しい気持ちが強かったからだ。

それがどう思われるかという想像力が足りていれば、今のような事態にはならなかったかもしれない。

ジムを紹介してくれた元同僚はダメだし、結局彼女はジムで知り合った一番仲の良い女性に打ち明けてしまう。

相手は驚いていたが、興味津々で話を聞いてくれた。「誰にも言わないでね」としつこく念を押して、C子は彼と過ごす時間について語った。やっと出口を見つけた高揚感が、彼女の口から溢れ出た瞬間だった。

が、それから数ヶ月して、C子は彼から怒りのメッセージを受け取ることになる。

「僕たちのことがジムで噂になってる。どうして話したの?」

それを読んだとき、C子は絶望感に襲われた。

どうして、と思っても心当たりはひとりしかいない。慌てて友人に連絡してみると、「ごめん。そんな話題になって……」とほかの会員さんに話されてしまったことを知った。

「誰にも言わないで、なんて通じないよね」

結局、「人の口に戸は立てられない」のだ。ジム内での不倫話などそれまでも耳にしていたが、自分がその対象になる可能性をC子はすっかり忘れていた。狭いコミュニティで誰かに話すことは、それだけ不倫がバレるリスクが高くなるだけなのだと、C子は今さらながら大きく後悔した。

彼には正直に話すしかなかった。嘘をついても、いずれ自分が人に話したことは知れるだろう。そうでないと、「あの日ジムが終わってからホテルに行ったんだって?」など、他人が知るはずがないのだ。

彼の怒りは治まらなかった。もう会いたくない、ジムにも来ないで欲しいときっぱり言い渡され、C子は身動きが取れなくなった。

 

不倫の過去はいつまでもつきまとう

 

C子はスポーツジムを辞めた。

顔を出しても、周りからは「不倫している人」という目で見られる。ジムのスタッフにまで知られているかもと思うと、受付に立つことすら怖かった。

彼とはそれっきりになり、消息はわからない。LINEで謝っていたが、ある日を境にブロックされ、電話も着信拒否されていた。

C子たちの関係をバラした友人ともそれ以来疎遠になり、ジムを辞めてから連絡はない。

「会員さんに会うのが怖い」

とC子は繰り返す。

 

もし夫といるときにばったり出くわしてしまったら。

自分のいないところで夫の耳に噂が入ったら。

 

帰宅した夫から「話がある」と不倫のことを切り出されたらどうしよう、としばらくは胃が痛くて顔もまともに見られなかった。

たまに買い物に行っていたスーパーには顔見知りの会員さんが働いているので、足を向けることができない。スポーツジムの周辺には近づきたくないし、今もC子は外出先で人の視線に怯える生活をしている。

 

 

 

「人の噂も七十五日」というが、不倫のように公にできない男女の仲は人の記憶に残りやすい。

たとえそこから離れたとしても、過去は変えられないしいつ何処でその話が出るかは誰にもわからないのだ。

高揚感に溺れて人に話してしまったことが、C子の人生を大きく狂わせた。

だが、そもそもその引き金を引いたのもまた、C子自身なのである。

 

≪恋愛相談家 ひろたかおりさんの他の記事をチェック!≫

 

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