女子相撲で新たなチャレンジ 陽光セントラルグループに入社の古閑詩織さん
OVO [オーヴォ] / 2024年4月8日 14時52分
この春、一人の女子相撲選手が新たな人生のスタートを切った。4月1日付で女子相撲部を発足させた不動産業「陽光セントラルグループ」に入社した古閑詩織(こが・しおり)さん(22)だ。社会人デビュー戦となった7日の国際選抜堺大会では軽重量級はベスト8、無差別級は1回戦敗退と振るわなかったが、5月には世界選手権(9月・ポーランド)の出場権が懸かる全日本個人体重別選手権(靖国神社相撲場)がある。「気持ちを切り替え、ばっちりの状態に仕上げて日本代表の座を勝ち取りたい」と意気込んでいる。
男女とも学生相撲の強豪である日大の出身。学生最後の試合となった昨年10月の全日本女子選手権では、決勝で敗れ2位。その時点では「最後に優勝できないのも自分らしい」と競技生活にピリオドを打ったつもりだった。スポーツ科学部で学んだことを生かし、将来はスポーツトレーナーを目指そうと就職先も決めていた。その流れが変わったのは2024年の2月。日大相撲部コーチで4月から陽光セントラルグループ相撲部監督となった對馬英人さんからの「社会人の新しい女子相撲部ができるから来ないか」との誘いだった。
對馬さんは、陽光セントラルグループの中村太朗社長と日大時代の同級生。たまたま2人で人材確保について話をしていたところ、女子相撲部を創設して女性活躍の場を広げ、会社の存在もアピールしようということになり、話がトントン拍子に進んだ。女子相撲は大学も社会人も関西以西の方が盛んで、陽光セントラルグループは関東企業で初めての女子相撲部発足となった。
最初は迷ったという古閑さん。しかし、鳥取城北高時代の恩師、須藤愛監督の「やってみれば」の一言で吹っ切れた。「スポーツトレーナーの夢は後でも追える。自分がやることで、下の世代が続いてくれれば女子相撲の発展にもつながる」と、挑戦を決意した。
熊本県菊池市出身で、地域の相撲道場に通っていた兄の影響で小学2年から相撲を始めた。男の子にも勝てることが気持ちよかった。對馬さんによると、小学校中学年くらいまでは女子の方が体の発達が早く男子より強いことが多いのだという。小学校高学年くらいから男子に勝てなくなり「やめようか」と思った時期もあった。しかし、中学の時に参加した大会で、鳥取城北高の須藤監督に出会った縁で同高に進学し相撲を続けてきた。
對馬監督は、相撲っぷりは土俵上でのコミカルな仕草で「ロボコップ」の愛称を持った大相撲元小結の高見盛に似ているという。高見盛は、右を差して出た時の強さに無類のものをもっていたが、古閑さんは「右四つからの投げ」が得意だという。對馬監督は「相撲はやや不細工だが、自分の型を持っている。稽古次第ではいつでも世界で勝てる素材」と評価する。
陽光セントラルグループ女子相撲部のスローガンは「発揮揚々(はっけようよう)~挑戦その先へ」。中村社長は「女性活躍が著しい時代に企業として新たな分野に飛び込み、社員と企業がともに成長し、社会に貢献していきたい」と期待を込めた。
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