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生を超える?ライブビューイングの進化が止まらない!

パラサポWEB / 2021年12月16日 16時50分

スポーツ観戦の醍醐味はなんといっても生の試合を見てその熱気や迫力を味わうこと。しかし人気の試合はチケットをとるのが難しいし、アウェイで行われる試合を観戦しに他県まで行くためには時間も費用もかかる。そこで近年人気となっているのがライブビューイング。たとえば2019年のラグビーワールドカップでは全国16カ所で行われた会場で多くのファンが盛り上がった。そして今、スポーツファンに注目されているのが「次世代型ライブビューイング」。自社の持つノウハウを転用して「スポーツ×ICT(情報通信技術)」の取り組みを行っている富士通株式会社が開発した、新しい観戦スタイルだ。コロナ禍での自粛が明けたら是非とも体験してもらいたい、その魅力についてご紹介しよう。

近未来のスポーツ観戦「次世代型ライブビューイング」
2019年に行われた次世代型ライブビューイング。品川にいながら、富山県で行われた男子プロバスケットボールの試合を臨場感たっぷりに観戦している。

富士通は「スポーツ×ICT(情報通信技術)」をテーマに数々の技術を生み出してきた。一方で「その技術をどのようにしてユーザーに楽しんでもらい、スポーツを活性化していくかというのがひとつの課題でもあった」と語るのは富士通株式会社スポーツ・エンターテイメント統括部のシニアディレクター小山英樹さん。

そこで考案されたのが次世代型ライブビューイングだ。たとえば、2019年1月に行われた次世代型ライブビューイング「B.LEAGUE ALL-STAR GAME 2019 B.LIVE in TOKYO」は、富山県で行われた男子プロバスケットボールの試合を東京の品川に用意された会場で観戦するというもの。これだけ聞くと「なんだ、ライブビューイングか」と思ってしまうが、そうではない。5つの革新によって、遠く離れていても、まるで試合会場でリアルに試合を観戦しているような臨場感、あるいはそれ以上の興奮を味わうことができるのだ。

――5つの革新――
【革新1】8K映像

迫力満点の映像で臨場感がスゴイ!

©B.LEAGUE

会場に設置された横14.2m×縦4mの巨大なワイドスクリーンに、8K映像による本物さながらの迫力満点のプレーを投影。さらに会場の左右のスクリーンには選手が控えるベンチや観客席の様子も映し出されて、臨場感を味わうことが可能に。

【革新2】サラウンド立体音響

360度音響で、まるで試合会場にいるかのよう!

音響には360度サラウンド立体音響を使用。富山の観客席に設置された複数のマイクで拾った音を品川で再生するという仕組み。プレー中の選手が左から走ってくると、左側から足音やドリブルの音が聞こえてきたり、右側の観客席が声援を送ると右側から歓声が聞こえてきたりと、まるで試合会場にいるかのような感覚を味わえる。

【革新3】Haptics(振動)ゾーン

選手の足音、ドリブルの振動までも伝わってくる!

バスケットボール観戦の醍醐味のひとつが振動。特にコートと地続きになっている観客席ではドリブルや選手の足音などがダイレクトに伝わってくる。品川会場の一部に振動スピーカーを設置することによって、そのエリアでは振動までも再現。選手が右から左へと走っていくと、同じように右から左へと床が振動する仕掛け。

【革新4】低遅延の映像・音響伝送技術

現地との時差ストレスがほぼゼロに!

©B.LEAGUE

テレビのスポーツ中継などで、スタジオから中継先のレポーターに話しかけると答えが返ってくるのにタイムラグがあるといったシーンを見かける。そういった時差をなくし、現地と離れた会場にいるファンの一体感を高めるために低遅延の映像・音響伝送技術を採用。膨大なデータを圧縮し高品質な画像を高速で送信する技術により、富山と品川をわずか0.2~0.3秒の遅延で繋ぐことに成功。

【革新5】ファンアプリ

自分の応援メッセージが会場に表示される!

©B.LEAGUE

観客の高揚感を高めるのに使用されたのがソニー・ミュージックアーティスツのファン参加型アプリ「WAVY proto.」。スマホにこのアプリをインストール。応援しているチームや選手宛に入力したメッセージが、富山会場に設置された大型ビジョンと、品川会場のサイドスクリーンに表示される。離れた場所で戦う選手たちに熱いメッセージを送ることができる。

B.LEAGUEを次世代型ライブビューイングで観戦するという試みは前年の2018年にも行われたが、その時と比べ、2019年の開催では座席数は2倍になっていたにも関わらず、品川会場の4000円のチケットは完売したそうだ。

「いくら技術があっても、それだけでは面白くないんです。この企画はソニー・ミュージックエンタテインメントさんにご協力いただいたんですが、演出のプロとコラボしたことで、非常に面白いものを作ることができました。企画段階の打ち合わせで担当の方に、『有名なダンサーが世界一のステップを踏んだって、その難しさを知らなければ凄さはわからない。むしろ、その人が高く跳んだほうが誰にでも凄さがわかる、わかりやすいんですよ』と言われたんです。『どう見せるか』ということの重要性を教えられた気がしました」(小山さん)

こうして革新的な技術とさまざまな演出を合わせることによって、品川にいる観客たちは遠く離れた富山の試合会場に行かずにして、その場にいるような臨場感を味わうことができたのだ。

スポーツにICTが導入されると、試合の戦略も激変する!?
AI体操支援システムの実際の画面。高度なワザも正確に把握することができる。

スポーツにICTを導入することは観戦スタイルだけでなく、選手や指導者にも大きな影響を与える。たとえば体操競技では、年々選手のワザが高度になっていくため人間の目だけで正確な採点をするのが難しくなっていると言われていた。そこで、富士通が開発したのが自動車が障害物を認識してぶつからないようにするためのセンシング技術を応用した「AI体操採点システム」。世界初の3Dセンシング技術を用いた採点システムによって、どんな高度なワザも正確に把握、公正かつ正確な判断ができるようになった。

選手が特に何も身につけなくても、動画から選手の位置や動きなどを自動的にトラッキングし、データ分析することができるプレイヤーモーショントラッキング。

また、自動車などのナンバープレートを認識する技術を応用したプレイヤーモーショントラッキングは、複数台のカメラで撮影した試合の動画を詳細に画像解析する技術。たとえばバスケットボールチームの監督が、Aという選手を指導する際、A選手をさまざまな角度からとらえた映像だけを抽出したり、シュートの成功率や試合中の走行距離などを算出したりして、的確な指導ができる。それだけでなく、ファンがそれぞれ好きな選手のプレーだけを選んで見ることができる多視点観戦も可能にするのだ。

映像配信プラットフォームFL-UX(フラックス)。スマートフォンやタブレットがあれば誰でも簡単に導入できる。

さらに、富士通の関連企業RUN.EDGEが運営するFL-UX(フラックス)という映像配信プラットフォームは、映像にタグをつけて、後でそのシーンだけを集めて編集することができるサービス。たとえばバスケットボールの試合映像を見ながら相手チームがシュートしたシーンに「シュート」というタグをつけていくと、後でタグをつけた場面だけをピックアップして見ることができる。しかも、これはクラウドサービスのため、スマホやタブレットさえあれば登録するだけで誰でも簡単に利用することが可能だ。実際にプロのスポーツチームをはじめ、大学などのスポーツチームなどでも活用されている。


テクノロジーの力によって観戦や指導方法、練習の仕方が進化することでスポーツは私たちにとってより身近で楽しいものになる。それは単にスポーツがエンターテインメントとして盛り上がるだけでなく意外な効果があると語るのは、スポーツ・エンターテイメント統括部のシニアディレクター堂本雅一さん。

「さまざまな形でスポーツが普及して運動をする人が増えれば、健康寿命をのばすことに繋がります。それは結果的に地域の活性化にも繋がっていくんじゃないでしょうか。日本が抱える高齢化や地方の過疎化といった問題の解決の糸口になるかもしれません」(堂本さん)

富士通の公式ホームページには、ICTとは「単なる効率化ではなく、人がもっと人らしく暮らしていくことをサポートする、人間中心の社会を築いていくという意志がこめられている」とある。まさにテクノロジーの進化は、便利さや物理的な豊かさだけではなく、心の豊かさや地域創生といった次のステージまで視野に入れているということだろう。

text by Kaori Hamanaka(Parasapo Lab)

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