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下剋上を実現! ラグビー日本代表監督「エディーノート」初公開

プレジデントオンライン / 2015年11月9日 9時15分

エディー・ジョーンズ 1960年、オーストラリア出身。母は日系アメリカ人。夫人は日本人。大学卒業後、高校の教員を務めた後、オーストラリア、南アフリカ代表チームを指揮。12年から日本代表ヘッドコーチ。(AFLO=写真)

W杯で南アフリカを撃破した日本代表。「奇跡の勝利」5週間前、エディー・ジョーンズが選手に伝えたメッセージとは。

■「個」を鍛え、超攻撃ラグビーに

ラグビー日本代表はイングランドで開催されたワールドカップで、過去2度の優勝を誇る強豪南アフリカを撃破。予選で3勝し、決勝トーナメント進出を逃したのは史上初。世界から敬意を込めて“最強の敗者”と称賛された。

今大会、日本代表は屈強な外国チームをスクラムで押し込み、超攻撃的なプレーで攻め立てた。守備では敵チームの攻撃を弾丸のような低いタックルで倒し、ゴールラインを割らせない。その戦いはファンのみならず、数十年ぶりにまともにラグビーを見た中高年、あるいはラグビーを初めて見る若者までを熱くさせる“強さ”を持っていた。

今回の日本代表の活躍は、2012年より指揮をとるエディー・ジョーンズヘッドコーチの指導によってもたらされたことは報道されている通りだ。エディーは03年ワールドカップでオーストラリア代表監督として準優勝、07年ワールドカップで南アフリカ代表アドバイザーとしてチームを優勝に導いた名将だ。

12年にエディーがヘッドコーチに就任して以降、日本代表の強化方針は一変した。それまでの日本ラグビー界は、「日本は優れたテクニックと戦略で勝負する」という考えが支配的だった。しかしそれでは世界に勝てないことは、過去の戦績が証明していた。エディーは「個」を徹底的に鍛える方針に180度転換。以降、各所属チームから代表選手を集めて長期の合宿を頻繁に実施。朝6時から夕方遅くまで三部、あるいは夜の四部練習まで、ハードトレーニングで徹底的に鍛え抜く。3年半かけて世界に伍するパワーとスタミナを作った。

そうしてエディーが掲げる連続攻撃を基本とするJAPAN WAYを実現できるチームへと変貌を遂げた。

ここに今回のワールドカップ5週間前の合宿で、エディーからメンバーに発表された2枚のシートがある。

徹底してクリアでシンプルに選手へ伝えた/チーム発足当初から目指す姿「JAPAN WAY(超攻撃ラグビー)」を1枚目に。2枚目ではW杯までの残り5週間にやることを、数字を交えてシンプルに明示。プラン通り日本代表はW杯本番で3勝を挙げた。

1枚目にはエディーが就任してから一貫して伝えてきた日本らしい超攻撃ラグビーを示す「JAPAN WAY」。2枚目にはワールドカップでのチームの目標「準々決勝、ベスト8」。そのためには「最低でも3勝」が必要。勝利する相手は、スコットランドまたは南アフリカ(いずれかに1勝)、サモア、アメリカ。

どうやって3勝するのか。それは「強み」を生かすこと。

まず「運動量で勝る」。リロード(立ち上がって体勢を整える)とリシェープ(攻撃の陣形を整える)をそれぞれの目標時間内にセットできる達成率を90%にする。そこに現状の数値も入れ、ギャップを強調。ランニングフィットネス(持久力)を高める。そして、「賢さで勝る」。

■選手がやりきれる明確なメッセージ

「彼のメッセージは、とてもシンプルでクリア。だから皆にすぐ伝わる。エディーが3年半前に皆に伝えたメッセージは、『日本は最後まで走り勝たなくてはいけない』『セットプレーを強化しなければいけない』の2つ。今回、南アフリカ戦では最後の最後まで走り勝ち、セットプレーは過去最高の成功率でした」とエディーを就任時からそばで見てきた日本代表の岩渕健輔GMは評する。

メッセージがシンプルで揺るぎないからこそ、選手たちは最後までやり切ることができる。試合中グラウンドにいる選手たちの意識も自ずと統一されてくる。それが世界のトップチームを動かすエディー・ジョーンズの強さなのだ。

(ビジネスライター 嶺 竜一 AFLO=写真)

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