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内向型33歳電通マン"人付き合いの裏技"

プレジデントオンライン / 2019年4月5日 15時15分

情報収集も人間関係も「アンテナを張る(仕組み化)」することで楽になる

積極的な人付き合いが苦手な内向型人間が、人間関係を楽にするにはどうすればいいか。電通プランナーの吉田将英氏は「人付き合いの多い仕事をしているのに、人と会うほどに疲れてしまう。だから人間関係が楽になるように仕組み化している」という――。

※本稿は、吉田将英『仕事と人生がうまく回り出すアンテナ力』(三笠書房)の一部を再編集したものです。

■電通マンなのに率先して人を誘えない

「広告業界にいるんだから、人付き合いは得意中の得意でしょ?」なんて思われそうだけれど、僕はけっこうな人見知りです。

なかには、人と会うことでパワーチャージするタイプの人もいるでしょう。でも、僕はその逆。人と会うほどに、疲れてしまう……といってもいいくらいです。

これを、僕はよく「コミュニケーションスタミナ」という言葉で表現しています。

人と会って元気になる人はコミュニケーションスタミナが多い。人と会って消耗する人はコミュニケーションスタミナが少ない。

僕は圧倒的に後者、スタミナが少ないタイプというわけです。

誤解しないでほしいのは、人と会うと疲れてしまうといっても、人が嫌いなわけではないということ。

有意義な人付き合いが、自分をどれほど向上させてくれるかもわかっているつもりです。ただ、自分が中心になって飲み会を開いたり、率先して人を誘ったりすることが、ちょっと苦手なだけ。

■仕組みで人付き合いが楽になる「アンテナ力」

「そんな僕が上手に人と付き合って、刺激を与え合っていくには、どうしたらいいんだろう?」

そう考えるうちに思い浮かんだのが、「情報」と同様、「人」に対しても、アンテナを張ってしまえばいいんだ、という発想でした。

端的にいえば、人を誘ったりするのが苦手なら、自分が「いいな」と思える集まりに誘われる人になればいいのでは――と考えたのです。

こういうと、なんだかあざといような印象を持たれるかもしれません。

でも、この先を読んでくれたら、たぶん気づいてもらえるでしょう。

人付き合いのアンテナを張れば、人見知りで、コミュニケーションスタミナが少ない人でも、周りの人と一緒にいろんな楽しいことができるし、相手が喜ぶものを自分から差し出せる、そんな可能性を広げることができるんだ、と。

人のアンテナを張るというのは、「積極的な人付き合い、ちょっと苦手かも」という自分の本質を無理やり変えることなく、人との関わりをもっとラクに、豊かにしていく仕組みづくりをする、ということです。そうすることで、自然体でもいいコミュニケーションが取れるようになり、仕事と人生が少しずつうまく回り出すようになっていくのです。

■自分の持ち味は周囲とのギャップから生まれる

周囲との違い・ギャップが武器になる

その一つとして、編み出した方法が「安心して話せる話題」を持っておく、ということ。

「それができたら、苦労しないよ……」という声が聞こえてきそうだけれど、あるクセをつければ、じつは簡単です。

そのクセとは、自分を「相対化」するクセ――周囲の人と自分を相対化してみることで、自分の意外な持ち味が見つかるのです。

たとえば、僕は映画をよく見ます。

ある晩、飲み会に参加し、ざっとメンツを見渡してみたら、「映画は見るけれど、そこまで詳しくなさそうな人」ばかりだった。となれば、「映画をよく見る」というのは、その場での僕の持ち味になるでしょう。

逆に、もしその場に「映画の配給会社で、買い付け担当をしています」とか「映画雑誌のコラムニストです」みたいな人がいたら、僕が延々、映画の話をしたって「この話題は、アンタじゃないだろ」と、みんなに思われてしまいます。

その場では、もしかしたら「映画をよく見る」より「週1でサウナに行っている」のほうが、僕ならではの話題になるかもしれません。

相対化とは、こういうこと。自分を一歩引いて見て、周囲との違いやギャップから自分の持ち味を浮かび上がらせる、ということです。

■「好き」を話して、いい顔になろう

では、大勢ではなく1対1で初対面の人と話すときに、いい印象で覚えてもらうにはどうすればいいでしょう。

意外に思われそうだけれど、それは、自分の「好きなモノやコトの話」をすることです。

「いきなり自分の話なんてして、大丈夫?」という気持ちも、わかります。

でも、好きなモノやコトの話をしているとき、人は例外なく「いい顔」をしているもので、じつは、好意的に受け止められることが多いのです。

「◯◯が好きな人」という印象を残せるという意味でも、これは簡単なのに意外とメリットの大きいコミュニケーション術といえるでしょう。

基本的には、相手に「好きなモノやコトを話しているときの顔」を見せることが目的なので、相手に賛同してもらえなくても大丈夫です。

■初対面は見た目が9割。話のタネを表面化させる

そうはいっても、「はじめまして」の挨拶のあとに、好きなモノやコトの話を始めるタイミングがわからない……、という人もいると思います。そのタイミングをつかむために、ちょっと裏ワザ的だけれど、「話のきっかけになる仕掛け」をしておくといいでしょう。

たとえば、こんなふうに。

●好きな野球チームのキーホルダーをペンケースにつけておく
●好きなブランドのアクセサリーを身につけておく
●好きなバンドのステッカーをノートパソコンに貼っておく

ノートパソコンなど人前で出す頻度が高いものや、放っておいても人目につくアクセサリーに、「好きなモノ・コトの存在を匂わせる」のです。

自分の内面にあるものは、話してみないと伝えられません。やはり会って最初に相手に与える情報は「見た目」なので、どこかしら外見に落とし込む。見た目で、好きなモノ・コトへのリンクを仕込んでおくということです。

■内向的な人は「ツッコミ待ち」に専念する

自分からグイグイ話していけるような社交的な人は、きっと、「話すタイミングがつかめない」なんて苦労、あまり感じないのでしょう。

その点、僕のような内向的な人は、ひと工夫が必要。相手から「なんですか、それ?」と言ってもらえるような「話しかけられやすさの設計」、いわゆる「ツッコミ待ち」をしておけばいいのです。

「理解してもらえないかも……」と不安に思う気持ちもわかりますが、好きなモノやコトに関する話なら、100人に1人くらいにしか通じなさそうな、マニアックな内容でもいいと思います。

初対面の人と会うたびに話していれば、いつか「100人に1人」に巡り合えるはずです。マニアックであるほど、「同志」が見つかったときには盛り上がるもの。100人に1人同士は、たった1回会っただけでも、お互いに絶対に忘れられない相手となるでしょう。

だから、自分のマニアな部分をさらすことをおそれないようにする、さらす勇気を持つことをおすすめします。

僕も、好きなモノやコトを通じて、初対面の人と一気に打ち解けてしまい、お互いに忘れられない相手となった経験があります。なかでも鮮明に覚えているのは、とある協力会社の人と仕事をしていたときのことです。

■マニアな共通項は秒速で人との距離を縮める

その人は、仕事上では「物腰やわらかい人」くらいの印象でした。

でも、一緒に食事をしたときに、ふと僕のほうから「大学時代、じつはバンドサークルにいまして」なんて話をしたら、その方が「私もバンドやってました。ドラマーなんです」と――そこから話は急展開していきました。

僕「どんなのを聞くんですか?」
相手「いや、マニアックなので、言ってもご存じないと思います」
僕「自分もフュージョンサークルだったので、そうとうマニアックですよ」
相手「フュージョンですか……! 僕はSoulive(ソウライブ)が好きです」
僕「まじですか! 僕も好きです!」

吉田将英『仕事と人生がうまく回り出すアンテナ力』(三笠書房)

というように、好きなバンドでつながるというミラクルが起こったのです。

お互いに音楽が好きで、マニアックなジャンルの、それも同じバンドが好きだった。そのミラクル度合いもあいまって、「Soulive好きのドラマー」「Soulive好きのキーボーディスト」としてお互いの記憶に残ることとなりました。こんなふうに、何かのマニアという共通項が見つかった途端に、人付き合いが、ぐんとうまくいくこともあるのです。

 

(電通 プランナー 吉田 将英 イラストレーション=中尾仁士)

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