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子供のいじめに本気で介入した父親の理屈

プレジデントオンライン / 2019年7月23日 6時15分

クラスの大半が団地っ子で、団地に住まない息子が標的に。酒の力を借りて復讐に出たが……。(PIXTA=写真)

■よく覚えてないが後悔はしていない

「酔った勢いとは言え、子どもの友達を叱り飛ばしたことは後悔していません」

そう語るのは、2019年に小学4年生になる息子を持つフリーライターの中川圭一さん(仮名・40歳)。中川さんは今から8カ月前、子どもが受けたある被害に対して“復讐”を仕掛けた。現在、中川さんの子どもは板橋区内の小学校に通っている。団地内にできた小学校で、児童の大半が団地内に住む子どもたちだ。

中川さんいわく、彼らは保育園のころから結束力が強く、学区では一大勢力となっていた。一方、一昨年引っ越してきた中川さんの家は団地からわずか数十メートル隣にある賃貸借家。これが転校生である中川さんの子どもへのいじめの温床になってしまったようだ。

■団地出身ではない息子が標的にされてしまった

「せめて団地出身の子どもたちだけで遊んでくれればいじめには発展しなかったと思うのですが、うちの小学校はひと学年1クラスしかなかった。1学年20人程度なので、男の子は約10人。そのため一緒に遊んでいるうちに団地出身ではないうちの息子が標的にされてしまったようです」

中川さんの子どもは運動神経も良く、勉強もできるタイプ。転校してきた当初は男子児童の人気者だったというが、次第にそれが理由となりいじめの標的にされてしまう。

「同学年の男子グループのリーダー格の男の子がどうもうちの息子を気に入らなかったようで。彼は勉強ができ、かけっこも速かったので、気に食わなかったのでしょう」

中川さんの子どもが受けたいじめは以下のようなものだ。

「学校が終わり、放課後公園で遊ぶ約束をしたのに、息子が公園に行くと誰もいないといったいじめを受けていたようです。私が平日休みの仕事ということもあり、この事態にいち早く気づけました。夕方に『○○くん(いじめの主犯格)と公園で遊んでくるね』と言って家を出たのに5分で泣いて戻ってきましたから。息子になんてことをしてくれたんだと怒りがわきましたね」

いじめはこれだけではなかった。学校では道具や上履きを隠されたり、筆箱の位置を別の場所に移されたりと、学校内でのいじめもエスカレート。中川さんの怒りが積もりに積もったある日、ついに復讐の瞬間はやってきた。

「その日も息子は公園に遊びに行ったにもかかわらず、誰もいないという仕打ちを受けて泣いて帰ってきたんです。当時、私は仕事がうまくいかなかったこともあり、昼からウイスキーを数杯飲んでいました。酔った勢いでいつもより強めに『また、やられたのか?』と息子に問い詰めていたところ、ピンポーンとインターホンが鳴ったんです」

■いじめへの親の介入は逆効果になることもある

玄関を開けると、同学年の男の子グループ4人が中川さんの子どもと遊ぶために迎えに来ていた。

※写真はイメージです(写真=iStock.com/CraigRJD)

「さっきまでいじめていたくせに、何食わぬ顔で遊ぼうと誘ってきたので、思わず主犯格の子どもに『おまえ、やってること全部聞いてるからな! 親にも言ってやる!』と追及しました。酔っていたのであまり覚えていませんが、『仲良くできないなら、もうこれ以上うちの子どもとかかわるんじゃねえよ!』と思い切って伝えましたね」

酔った勢いの説教が効果があったか、その後いじめはピタリとやんで今に至るという。

「あいつの父ちゃんは怖いから絡むのはやめようと思われたらしいです。その後息子はいじめっ子グループとかかわらずに済みました」

父親の“直接反撃”が功を奏した形だが、いじめへの親の介入がさらにいじめをエスカレートさせるケースも少なくない。「今思えば、法的な手段に出ることも1つの選択肢だった」としらふの中川さんは当時を振り返る。

(編集者・ライター 鈴木 俊之 写真=PIXTA、iStock.com)

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