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最後はお金持ちになれる"知ったかぶり"の特徴

プレジデントオンライン / 2020年1月21日 15時15分

※写真はイメージです - 写真=iStock.com/mapodile

■「教えてください」と素直に言えますか?

「知りません。教えてください」が素直に言えず、知っているフリをする人が周りにいませんか。そんな「知ったかぶり」について興味深い研究があります。世界の都市名を挙げて「知っていますか? 知りませんか?」と尋ねるもの。正しく知っていればポイントが加算されます。中には存在しない地名が混じっており、それすらも「知っている」と答えて、高得点を獲得しようとする人も。実にナルシシストが多いのです。

心理学でいうナルシシストは、周りと自分を比較して「自分のほうが偉い」「人よりも社会的地位を高めたい」などと過剰に求める人のこと。高い自己評価を持っていて(自己誇大化)、褒められたい欲が強く、周囲に自分が優れた人間であると認めさせたい、と考えます。

だから「知らない」と言うのはプライドが許さないわけです。「知らないのね」と思われたくない、周りからの評価を下げたくない、という思いが極端に強いのです。自分に本当に自信がある人なら、「知らないから教えてくれる?」と素直に言えます。それくらいで自分の評価は下がらない、と知っているからです。

ただ、知ったかぶりは悪い面だけではありません。「人に聞くのが許せない」と思うぶん、自分でなんとかしようとするタイプもいるからです。“知っている理想の自分と、知らない現実の自分”との乖離を認識すると、耐えられない気持ちになり、人によっては空想に走ったり、手っ取り早く有名になろうとしたりするアクションを起こす人もいます。

ただ、努力した結果として、お金持ちになったり、社会的地位が高くなったりして実質が伴うと、それが自分の確固たる基盤になるので、過度に欲する状態から卒業することも。一方で、自分を高く見せたいと願っていても、努力することなく、妄想しかしないタイプもいます。

■「知らない」と言っても、他人の評価は下がらない

知ったかぶりの人がどちらのタイプになるかは、今の自分をどう認識し、現実とすり合わせて、どう対処していくか――そのやり方で決まるといえるでしょう。もし、知ったかぶりをしている同僚が気になったとしても、理想の自分と現実の自分との乖離を埋める努力をしている様子が見られたら、優しく見守ってあげてもいいのではないでしょうか。

もし「これは自分のことだな」と思う人がいたら努力を重ねるか、素直に「知りません。教えてください」と言うかの二択です。「聞くは一時の恥、聞かぬは一生の恥」ということわざもあります。

ちなみに「知らない」と言ったくらいでは、周りからの評価は自分が思うほど下がらないですよ。「自分だけが周りから注目を集めている」と思うことを、心理学用語で「スポットライト効果」といいます。

でも、周りの人はそれほど他人を気にしていません。むしろ、みんな周りのスポットライトなんて見えていなくて、自分が注目を集めていると思っている。だから、気楽に生きてください。知ったかぶりの人にモヤッとしている人にも、知ったかぶりを自覚している人にも、どちらにも響けばうれしいです。

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小塩 真司 心理学者
早稲田大学文学学術院教授。パーソナリティ心理学に詳しい。著書に『性格がいい人、悪い人の科学』ほか。3児の父。

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(心理学者 小塩 真司 構成=池田園子)

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