結婚だけがゴールじゃない!現代女性に「目的別恋愛」が必要なワケ
プレジデントオンライン / 2020年2月23日 6時15分
■男性は宇宙人。自分の延長線上で男性を見ると失敗する
大人の女性にとって、恋愛でときめくことは素晴らしいことです。何であろうとワクワクするものが身近にあるのは、生きている喜びでもあり素敵なこと。ことに恋愛というのは、生身の相手がそこにいるだけに楽しみやおもしろみもすごくあると思います。そもそも男性は宇宙人なので、自分の延長線上で相手を見ていたら絶対失敗します。別の生き物だから、男と女はわかりあえない。だからこそ惹かれ合い、わからない者同士だからおもしろいのです。
私は働く女性たちへのアンケートで、恋愛にときめきを覚えている人たちがこんなにいることを知って、ちょっとうれしかった。自分をしっかり持った女性がとても増えているのではないかという気がしました。
若いころの恋愛は、相手への期待が大きくて幻滅したり、別れた彼とは会いたくないと思うほど傷つくこともあります。でも、30代、40代とさまざまな経験をしてきた女性たちは、男と女がわかりあえないこともある程度わかっている。だから、相手次第にならず、自分を中心に置いたうえで主体的に恋愛を楽しもうとすることに、大人の魅力を感じます。同時に「男たちよ、しっかりがんばれ!」とも思いますけれど(笑)。
■自分は子どもを産むのだという目的をはっきり意識すること
私が女性たちにお勧めするのは、目的別恋愛です。たとえば今の女性はまず、子どもを産むか産まないか、という選択ができると思います。結婚して子育てすることを望むとしたら、自分は子どもを産むのだという目的をはっきり意識すること。そうすると、その目的に合った人が引き寄せられると思うのです。結婚したいと思っていると、「あなた、こういう人がいるけれど、どう?」という話を持ちかけられたりと、不思議なほどそういう状況になるものです。
最初から結婚や出産を望まず、「私はそうではない人生を生きます」という女性も増えています。そういう人たちは本当に恋愛と仕事というものを突き詰めていけばいいと思うのです。つまり、まずは自分の人生設計ありき。あくまでも主人公は自分。恋愛の延長にあるのは「彼と私の人生」という考えはもう脇に置いて、自分を中心に据えた目的別恋愛を意識してみてはいかがでしょう。
そのうえで今度はもう少し深めて、自分はどういう恋愛でいくかという計画を立てるのもいいと思います。どういう男性と出会い、どんな付き合い方をしたいのか、自分の意思を先に発信することで引き寄せる恋愛があってもいいと思うのです。
恋愛にもいろいろな色合いや深みがあって、それをもっと楽しんでほしい。自分はどんな恋愛に喜びを感じるのか、どういう付き合い方が何を生むかとか、恋愛道を極めていくような人たちがこれからはもっと出てくるような気がします。
私の生き方も恋愛至上主義でした。幾度か失敗も重ねてきましたが、物書きとしてはいろいろなものを得たなと実感しています。
2度の結婚を体験していて、最初の夫とは子どもを産んで育てていくという、まさにチームのような存在でした。2人の子どもを育てつつも、やがて「この人がいる限り、私は仕事ができない」と思うようになり、下の娘が2歳のときに離婚。それでも彼とは苦楽を分け合ってきたという思いがあり、今も大親友です。
脚本家は人間を観察し、人の思いを見つめて深く掘り尽くす。すべての登場人物になりきり、複雑な人間関係を俯瞰(ふかん)しながら人物を描いていく仕事です。それは私自身の心を見つめることでもあり、生きるということを深く考える道でもありました。
私が若いときにしてきた恋愛も分析するのですが、自分に自信を持てず、生きるのがつらかったころに出会った相手は子どもっぽい人が多かったのです。でも、自分自身に気づき、大人になるにつれて、出会う人たちも自立した人が多くなりました。
そして自分を心から愛せるようになったころ、「篤姫」※の仕事が来たのです。本当に幸せで「もう誰もいらない」と思っていたときに出会ったのが再婚した彼。私は子どもがいたので結婚する気はなかったけれど、子どもたちにも勧められて決意。彼はとても大人だったし、あらゆる意味でカッコいい男でした。
■彼は誰よりも私を愛し、最も理解してくれた人
でも、不思議なことに、「篤姫」を書き終わる直前に夫の病気がわかりました。彼はぎりぎりまで仕事をして、最後まで家族を思いやりながら、3カ月後に亡くなってしまう。わずか2年半の結婚生活で帰らぬ人となったのです。それでも彼は誰よりも私を愛し、最も理解してくれた人。最高に贅沢な恋愛でした。
恋愛とはつまり、一生ものというくらいの覚悟で付き合っていいものでもあると思います。それは一生に1度の大恋愛なのか、1回結婚して終わるのか、夫を亡くしてから始まるのかもわからないけれど、とにかくその主人公は自分なのだということだけは忘れないでほしいのです。
仕事か恋愛かと秤(はかり)にかける必要もありません。働く女性たちはがんばるあまり、つい仕事がメインになりがち。でも、私たちは仕事のために生まれてきたのではなく、自分はどう生きるかという道程の中に仕事があり、恋愛があると思うのです。
私はずっと仕事を続けていますが、仕事がすべてと思ったことは1度もないし、恋愛をしていてもそれがすべてと思ったこともない。いつでも私がどう生きたいかが一番で、そのための仕事であり、恋愛であると。これが定まると、人生はもっとおもしろくなると思うのです。
自分が主人公でいる限り人生はときめくので、仕事にもハリが生まれて、心が安定していく。自分が安定していると恋愛を楽しむ余裕や喜びも感じられます。だからこそ、自分らしい生き方、自分とは何なのかを知ることが大事なのです。他人と恋愛する前にまず、自分との恋愛を意識してほしいのです。
自分自身を愛している人は仕事にも依存しすぎなくなります。仕事も自分の人生の喜びになるので、感謝の気持ちしかなくなるのです。仕事があることに感謝し、憎い上司までが何だかありがたい気がしてくるとか(笑)。そうするとまた仕事もうまく運び始める。だから、恋愛も仕事のはけ口になることなく、喜びに満たされたものになると思うのです。
私がお願いしたいのは、仕事のはけ口としての恋愛を求めないでほしいということ。そんなときは本当に大した恋愛にならないことのほうが多いのです。むしろ1人のときは自分とせいぜい恋愛をして、自分自身が安定することが大切。そして自分を大切に思える心を持ってこそ、仕事も恋愛もすごく豊かなものになっていくことでしょう。
大人の恋愛はもちろん最高でおもしろい。でも、もっとゴージャスにしたいと思ったら、まず自分と恋愛してほしいですね。
※「篤姫」……2008年1月~12月に放映された、NHK大河ドラマ47作目の作品。幕末を舞台とした作品の中で過去最高の視聴率を誇る大ヒット作。
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脚本家・作家
NHK大河ドラマ「篤姫」「江」、連続テレビ小説「さくら」(橋田壽賀子賞受賞)、その他話題作を多数執筆。近著に『おね』上下巻(NHK出版)、『女塾』(主婦と生活社)など。執筆のほか、脚本セミナーや講演会など多岐にわたって活動している。
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(脚本家・作家 田渕 久美子 構成=歌代幸子 写真=iStock.com)
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