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上原浩治「僕が指導者になったら、時代に反しても選手にめっちゃ練習させる」

プレジデントオンライン / 2020年3月8日 11時15分

上原浩治氏

■メジャーと日本野球の決定的な違い

将来、僕が指導者になったら……ですか?(笑) めっちゃ練習させるコーチになると思います。走り込みも投げ込みもさせる指導者になるでしょうね。今の時代、受け入れられないと思いますよ(笑)。

渡米した当初は「全体練習、短いっ!」って感じました。でも、米国は個人でやるんです。ベテランほどハードな練習をしていました。だから米国のほうが練習時間が短いかっていわれたら、そうでもないと思う。全体でやるか、個人でやるかの差でしょうね。米国だと自分で鍛えたい部位やトレーニングがあって、自分で考えてやりたいことができましたけど、日本だと、「これをやってください」となる。考えて練習ができたのは米国ですね。僕には合っていました。

メジャーから日本に戻って感じたのは、総じてピッチャーの練習量が減っていることです。今だとキャンプで100球投げたら「よく投げたな」って言われるけれど、僕のときは、毎日100球は投げていました。半分とはいわないけれど、練習量は3分の2ぐらいに減っているんじゃないかな。

僕は、ピッチャーは投げ込むべきだという意見です。どれだけウエートトレーニングしても、投げる筋肉は実際に投げないとつかないと思う。投げ込みは土台づくり。結果は練習に比例する。練習しなくても1年はできるかもしれない。でも投げ込まないで10年間一線で活躍できるかといったら疑問ですね。

■誰でもが練習量を多くするのが正解か

だからといって、誰でもが練習量を多くするのが正解かといったら違いますし、何が正解かがわからないというか、正解はないと思う。その人その人のやり方がある。

上原浩治『OVER結果と向き合う勇気』(JBpressBOOKS)

1年目、巨人に入ったときは、ピッチャーはベンチプレスはやらないほうがいいという時代でした。でも、大学時代は前期後期と試合の間に長い休みの期間があるけれど、プロは1年間やるわけだから、体力をつけるためにもウエートトレーニングが必要だろうと思ったんです。体の線が細かったですしね。不思議がられましたけど、うまくいった。

で、2009年に米国に渡りました。周りがデカい人ばっかりなので、こりゃ大きくならないと勝負にならないと思い、筋トレで体重を増やしたんです。でも、それが失敗でケガをすることが多くなりました。体重を落とすとケガもなくなって、体のキレも出てきた。

トレーニングに正解はありません。いろんな方法がある。大事なのはそのときの自分を知って、合ったものをいかに早く取り入れるかということじゃないですかね。そう考えると、僕の人生、ずっと自分の体を使って実験していたといえるかもしれません。

練習を1日サボるとそれを取り戻すのに3日かかる。で、1カ月トレーニングやった成果が出るのは3カ月後。1月の自主トレでやったことが開幕に生きてくるんです。

僕だって練習から逃げたいときはあります。でも、誰かにやらされているわけでもない。自分で決めたことですから。打たれたときのことを思い出したり、ライバルはもっと練習しているだろうと思ったりして取り組みました。結局、最大の敵は自分。楽しようと思っている自分に、いかに打ち勝つかということなんですよ。

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上原 浩治(うえはら・こうじ)
1999年に巨人に入団。2009年からMLBに挑戦。13年には日本人初のワールドシリーズ胴上げ投手に。18年に巨人に復帰。19年5月に現役引退を表明。近著に『OVER結果と向き合う勇気』(JBpressBOOKS)。

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(上原 浩治 構成=遠藤 成 撮影=松本昇大)

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