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職場で空回りする「残念な人」が必ず間違える2つの質問

プレジデントオンライン / 2020年2月26日 9時15分

※写真はイメージです - 写真=iStock.com/RyanKing999

「上司に認められない」と悩む人には、共通して間違えているポイントがある。社員研修を数多く手がける伊庭正康氏は、「上司が評価しているのは、真面目にやっているかどうかではない。そこを間違えている人が多い」という——。

※本稿は、伊庭正康『トップ3%の人は、「これ」を必ずやっている』(PHP研究所)の一部を再編集したものです。

■上司が「私のところにもっと来ていいよ」と言う真意

上司からの指示に従い、真面目にコツコツと頑張っているのに、思ったほどの評価を得られない……。そういったことはないでしょうか。

言われたことをきちんとやっているし、とりたてて叱られたこともない。

人事考課だってマイナスはついていない。むしろ良い。

でも、なんとなくだけど、上司に認めてもらえていないような……。

そう感じたことはないでしょうか。

先に答えを言いましょう。

上司が評価しているのは、真面目にやっているかどうかではありません。むしろ、頑張るのは当たり前で、コツコツとできない人はマイナス評価になっています。上司が、あなたに期待しているのは、「影響力の大きさ」です。

私の失敗談を紹介しましょう。

人には取り柄が1つくらいはあるもので、私は不器用ながら、営業だけはそれなりにできました。成績が良いと、昇格します。現場の小さなリーダーを任されました。部下との関係も良好でしたし、業績も悪くありませんでしたので、粛々と業務を遂行していました。

しかし、なぜか上司から言われるのは、「もっと、私のところに来ていいんだよ」といったセリフ。よくわかりませんでした。

いくら考えてもその意味がわからず、「飲みに行きませんか?」と声をかけたりもしました。しかし、その上司が求めていたのは、どうやらそういうことでもなかったのです。

さて、あなたなら「もっと、来ていいよ」の意味をどう捉えますか。

ここを押さえておかねば、これからのビジネスパーソンとしてのキャリアを無駄にしかねません。ここはしっかりと理解しておきましょう。

■参謀のようにサポートする「フォロワーシップ」の姿勢

答えは「フォロワーシップ」にあります。

フォロワーシップとは、「上司自身にスキルの不足や見えていない問題があるなら、参謀のようにサポートする姿勢」のことをいいます。

確かに、組織には少なからず、問題はあるものです。当時の私には、このフォロワーシップの考え方は一切ありませんでした。そのため、組織の問題に対するセンサーの感度も弱かったと思います。自分の業務上の問題にのみ関心を持ち、上司の立場では物事を見ていませんでした。

「もっと、来ていいよ」は、提案や相談があるならもっと来ていいよ、ということ。さらに言うと、「1つ上(私)の立場で、問題があるなら教えてね」ということなのです。

その後、私はフォロワーシップの権威、カーネギーメロン大学のロバート・ケリー教授の著作などを通じて、フォロワーシップの考え方を学びました。そして数多くのビジネスパーソンを見てきましたが、このフォロワーシップをしっかりと発揮できている人は、ごくわずかです。

■上司の信頼を勝ち得る人に、チャンスは訪れる

だからこそ、そのわずかな人が「上司からの信頼を勝ち得て、チャンスが集中する」という法則が世の中にはあるのです。実際、私がこれまで出会った、いわゆる一目置かれるリーダーもスペシャリストも、上司に対して、遠慮せずに議論をしていたり、時には苦言を伝えていたり、まさにフォロワーシップを発揮している方ばかりでした。

このフォロワーシップを知らないと貧乏くじを引く、と言っても過言ではありません。拙著『トップ3%の人は、「これ」を必ずやっている』では、あなたが理想のキャリアを手に入れるために不可欠となる、フォロワーシップの高め方と、その具体的な実践手法を紹介しています。

これはいかなる仕事もそうなのですが、上司との間に「ズレ」があると、いくら頑張っても報われない「残念な人」になってしまいます。いくらフォロワーシップを発揮しようとしてもうまくいきません。

空回りしないためにもチェックをしておきましょう。

■空回りしないためのチェックポイント

まず、2つの質問をさせてください。

【質問1】あなたの仕事をするスタンスは、どちらに近いですか?
A:上司の指示に対し、しっかりこなす
B:上司の指示に対し、もっと良い方法はないかと考える

【質問2】「質問1」で「B」と回答した方に質問です。もし、上司が現場が苦しむようなムリを言ってきた時、本心はどちらに近いですか?
A:良い方法を思いついたら、すぐに提案する
B:良い方法を思いついても、先に上司の考えを聞く

正しくフォロワーシップを発揮するなら、

【質問1】…B(上司の指示であっても、もっと良い方法はないかと考える)
【質問2】…B(思いついても、すぐ提案せず、先に上司の話を聞く)

のパターンが正解です。

■「ひとりよがり型」の人が考えていること

では、なぜ、この質問をしたのか。私のフォロワーシップ研修で、セルフチェックをする箇所があるのですが、「理想型のフォロワーシップ」を発揮していると回答しながら、実際のところは職場でそれほど影響力を発揮できていない人もいるのです。

ここにあるのが、「ズレ」なのです。ズレがあると、いくら頑張っても成果につながりません。

1つめのズレは、このパターン。

【質問1】…B(もっと良い方法がないかと考える)
【質問2】…A(上司より自分の考えのほうが筋が良いと思っている)

私は、このパターンを「ひとりよがり型」と呼んでいます。

期待を超えようとしているのは良いのですが、上司の心には響かないでしょう。全体観のないままに、目の前のことや自分の持っている情報だけで提言をしても、なかなか意見は通りません。フォロワーシップを効果的に発揮するには、情報をどれだけつかんでいるかが重要。まずは、上司が課題に感じていることを確認しておきます。

■「指示に応えるだけ」の中堅は危ない

もう1つのズレは、

【質問1】…A(上司の指示にきっちり応えるだけ)

で、とどまってしまっているパターン。この場合、「もっと来いよ」と思われている可能性もあります。特に、中堅がこのパターンだと、「物足りない」と思われても仕方がありません。

伊庭正康『トップ3%の人は、「これ」を必ずやっている』(PHP研究所)
伊庭正康『トップ3%の人は、「これ」を必ずやっている』(PHP研究所)

例えば、社内で販売キャンペーンがあったとしましょう。

どうも、キャンペーンが盛り上がらなかったとします。

期待に応えない人は、キャンペーンが面白くないね、と批評をします。

期待に応える人は、そのキャンペーンの中で、自分自身が頑張るにとどまります。

期待を超える人は、全体を考え、そもそもキャンペーン自体を盛り上げるために何をすべきかと、自分の役割を超えて考えます。自然と、上司の立場で考えているのです。

まずは、この2つのズレに敏感になっておきましょう。

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伊庭 正康(いば・まさやす)
らしさラボ代表取締役
1969年京都府生まれ。1991年リクルートグループ(求人情報事業)入社。営業としては致命的となる人見知りを、4万件を超える訪問活動を通じて克服。プレイヤー部門とマネージャー部門の両部門で、年間全国トップ表彰を4回受賞(社内表彰は累計40回以上)。営業部長、フロムエーキャリアの代表取締役など、重要ポストも歴任する。2011年、企業研修を提供するらしさラボを設立。リーディングカンパニーを中心に、年間200回を超えるセッション(研修、コーチング、講演)を行っており、そのリピート率は9割を超える。最近は、本書のテーマである「フォロワーシップ研修」を行うことも多い。

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(らしさラボ代表取締役 伊庭 正康)

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