「好きで始めたはずなのに」情熱がさめたときのモチベーションの取り戻し方
プレジデントオンライン / 2020年4月17日 15時15分
※本稿は、矢澤亜希子『運を加速させる習慣』(日本実業出版社)の一部を再編集したものです。
■情熱が失われたとき、どう持ち直すか
モチベーションの維持といってもさまざまな状況がありますが、よくありそうな状況は2種類です。ひとつは、もともと好きではじめたことや人が以前のように好きではなくなったり、情熱が失われたりしたときのモチベーションの維持です。もうひとつは、そもそも好きでもないことに対してモチベーションを上げなければならないというものです。
ここでは、自分の経験から語れる、もともとモチベーションがあったものに対して情熱が失われてしまった場合、どうやって再びモチベーションを保つのかということについて私の考えをお伝えします。
モチベーションを失う理由はさまざまですが、ひとつのことに真剣に向き合って、うまくいかないことが長く続くと、好きだったはずなのに嫌いになってしまうことがあります。一度嫌いになってしまうと、もう以前のようには戻れません。自分の限界に達してしまうと、それまでのモチベーションは戻ってこないからです。そのため、限界に達する前に対処する必要があると私は思っています。
■しばらく違うことをやって距離を置く
その対処法として、私は「しばらく違うことをやって距離を置く」ということをしています。距離を置いている間は、なるべくこれまでとは違う体験をしていきます。
違うことをやっているうちに、「そういえば、またあれをやりたいな」というような気持ちになってきたタイミングで戻るのです。久しぶりにやると急におもしろく感じたり、以前はうまくいかなかったことを冷静に見つめることができるようになったりするのです。
私の場合、「世界チャンピオンになる」という大きな目標があり、それがモチベーションとなっていた時期がありました。ですが、それを実現したあとは、「世界チャンピオンになりたいから強くなりたい」というモチベーションがなくなってしまったのです。今では、「3回目の世界チャンピオンになる」という目標がモチベーションになっていますが、続けることの厳しさを感じないわけではありません。
そのようなときは、バックギャモンにこだわらず、新しいことにも挑戦しています。このような自分なりの対処法から思うのは、バックギャモンはもともと好きでやっていたことなので、やはりやりたくなるということです。たとえば、新たに強いプレーヤーが出てきたという話を聞くと、「そういう人たちに負けたくない」という気持ちが芽生えてきます。これが、新しいモチベーションになるのです。
■普段と違う道を通ったときの新鮮なショック
また、慣れてしまったやり方を変えてみることで、モチベーションに変化を与えられる場合もあります。
たとえば、小学生のころ、私は大人に決められた通学路を愚直に守って、毎日、同じルートで自宅と学校を往復していました。しかし、あるときほんの少し違う道を通らなければいけないことがあって、驚いたことがありました。自宅の近くに大きな犬を飼っているお宅があることにはじめて気づいたからです。1本違う道を通るだけで新しい世界が広がっていることに、大変なショックを受けたことを覚えています。
■いつものやり方を少し変えると新たな発見がある
ささいなきっかけではありますが、以後、私は2つのことを実践しようと考えるようになりました。ひとつは、世界を広げること。もうひとつが、同じことをするにもやり方を変えてみることです。それらを実現するためにはじめたのが、「毎年10回以上、新しいことにチャレンジする」というものです。
とにかくなんでも経験してみれば、たとえ興味がないと思っていた分野のことも、自分が知らなかっただけで、実はおもしろいかもしれないからです。また、実際に経験することで見方や感じ方が変わって、新たな発見があるかもしれません。そういう目標を自分に課して、それを続けることにより、自分の世界が広がっていきます。
繰り返し同じことをしなければならないとき、私たちは何も考えなくなります。しかし、同じ生活のなかであっても、通勤ルートを少し変えてみるだけでも発見があるかもしれません。愛用している品物を他社の類似品に変えてみたり、お客様との連絡手段をメールから手紙に変えてみたり、とにかくやり方をほんの少し変えるだけでも、得るものはあるはずです。
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プロバックギャモンプレイヤー
1980生まれ。明治学院大学卒業。日本人3人目の世界チャンピオン。国内、海外のトーナメントを転戦し、数多くの優勝を果たす。2014、2018年の世界選手権のメイン種目で優勝し、日本人初、国籍を問わず女性初となる2度の世界チャンピオンになった。
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(プロバックギャモンプレイヤー 矢澤 亜希子)
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