1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. ライフ
  4. ライフ総合

若者がひそかにあきれる「おじさん・おばさん」がやらかしがちなZoomの2大マナー違反

プレジデントオンライン / 2020年5月15日 6時15分

※写真はイメージです(写真=iStock.com/RichLegg)

ネット慣れしている今の若者たちは、突然のリモートワークに戸惑う昭和世代をどう見ているのか──。この4月に入社したばかりの新社会人4人が、オンライン座談会で「今、上司に言いたいこと」を語り合いました。司会と解説は原田曜平さんです。
【座談会参加者】
Aさん/IT系企業でオンライン研修中。女性
Bさん/人材サービス企業でオンライン研修中。女性
Cくん/動画配信サービス企業で毎日出勤中。男性
Dくん/人材サービス企業で在宅勤務中。男性

■Zoom研修やZoom飲みが当たり前に

【原田】今日の座談会は、オンライン会議サービス「Zoom(ズーム)」を使って開催しているわけだけど、皆は仕事でも使っているのかな?

【Aさん】Zoomで座学やグループワーク中心の研修を受けています。最初は研修は1カ月で終わる予定だったんですが、会社全体のリモートワーク体制が5月末まで延びて、研修も延長になりました。

【Bさん】私もZoom研修の最中です。内定式以降、会社の人とリアルでは会っていませんが、不安やさびしさはありません。40~50人が参加する「Zoom全社飲み」があったり、同期と「Zoom女子会」をしたりしているので、出社しなくても仲は深まっている実感があります。

【Cくん】僕は普通に出勤して働いています。でも会社帰りに飲みに行ったりはできないので、同期とも先輩ともあまり仲を深められていません。少人数でのZoom飲みはしていますが、もっと他の人とも飲みたいですね。

【Dくん】僕は在宅勤務でテレアポの仕事をしています。Zoomも使ってはいますが、テレアポ中は接続を切っていることが多いかな。ただ、リアルで他の人の働き方が見られないのはつらい。本当は同期のイケている人や、ロールモデルになりそうな先輩の働き方を参考にしたいです。

■イマドキ女子のすごいZoomテク

【原田】仲を深めるのにZoom飲みを活用している人も多いみたいだね。Bさんの全社飲みは、それだけ大勢が参加していて盛り上がるの? うちの会社でも30人ぐらいでZoom交流会を開いたけど、まったく盛り上がらなかったよ。

【Bさん】結構盛り上がりましたよ。新入社員から社長への質問タイムもあって、それぞれがぶっちゃけた質問をしていて楽しかったです。

【Aさん】うちの会社でも100人以上でのZoom飲みがありますが、私は最初だけ参加したら後は適当に抜けちゃう(笑)。大勢が参加しているから誰か1人抜けてもバレないんですよ。リアルの飲み会だと席が近い人と少人数で盛り上がったりできるのに、Zoomではそれができないからつまらなくて。

【原田】大勢なら、途中でドロンするのも楽なんだね。じゃあ逆に、Zoomだからこそ気を使う点はあるかな? 自分の見え方とか背景とか。

【Dくん】仕事中は上半身だけスーツを着ています。その他は、顔の見え方も髪型も全然気にしていないかな。背景は、上司に「皆で合わせたら」って促されたので、会社が作った画像を使っています。

【Aさん】私はZoomバージョンのメイクをしています。普段のメイクだと顔が薄く見えちゃうので、いつもより濃いめにして輪郭をハッキリさせていますね。Zoom用に、デスク周りにつける照明も買いました。

【原田】皆、Zoomに接続している間はサボったりせずにずっとシャキッとしているの? 手元が映らないから、僕はたまに打ち合わせしながら携帯を見たりゲームしたりしてるんだけど。

【Bさん】皆、ちゃんとやっていると思いますよ。研修だと急に話を振られたりするから、あまり油断できないし。

【Aさん】サボる人がいるとは聞きますね。バレないようにするテクとして、ブルーライトカットメガネをかけている時は携帯いじるのはやめたほうがいいらしいです。手元がメガネに映っちゃうんですよね。

■30代上司にはジェネレーションギャップを感じない

【原田】上司としては、皆が職場にいればノルマを与えてサボらせないという手もあるけど、リモートワークだとそれもやりづらいだろうね。皆は上司との関係はどうなのかな。ジェネレーションギャップや不満を感じることはある?

【Cくん】上司は皆30代前半なので、ギャップを感じることはないです。近づきがたい人も優しい人もいるけど、昭和体質ではない企業を選んだおかげで謎のルールもなくて。上司の言うことを理不尽だと思ったこともないです。

【Dくん】うちも皆若くて、上司に中年の人がいないんですよ。業務はきついですが、その分すごく優しくケアしてくれる。相談にもよく乗ってもらっているので、業務に不満はあっても上司にはまったくないです。

■おじさん、おばさんがやりがちなNG行動とは

【Aさん】私はZoomの使い方でちょっと不満があります。人事部の研修担当者が40代半ばぐらいなんですけど、口調がきついし、Zoomのアングルが低いのか常に顔を下から映している感じなんですよ。こっちからすると見下されている気がします。それに照明も暗くて、表情がよく見えないから「怒ってるのかな」って思っちゃう。同期の間では「軍曹」って呼ばれてます(笑)。

【原田】中高年層にはZoomがよくわかっていない人も多いから、悪気はなくてもそう見えがちだよね。今の若者は動画をよく見ていてアングルの重要性も知っているけど、僕たちの世代はあまり知らない。おじさんおばさんのZoomマナーで、他に気になることはある?

【Aさん】Zoomって、若者の間では「自分がしゃべっていない時はミュート」がマナーなんですよ。でもおじさんは全然気にしていないみたいで、コーヒーをすする音とかしっかり聞こえてきちゃう。正直、嫌です。

【Bさん】私は画面共有の使い方を理解してほしいですね。資料を映し出す時は全画面で共有してくれないと、文字が小さくて読めないんです。「こうすればいいですよ」って言ってあげたいけど、新入社員から言い出すのは失礼かなって遠慮しちゃう。

■なぜ、使いこなせないのか不思議

【原田】ミュートの件は、僕もZoom中に豚汁をすすっちゃって同じことを言われたな。中高年は、まずは「ミュート」と「全画面共有」を覚えておいたほうがよさそうだね。でも、皆はどうしてそんなにZoom慣れしているの? 学生の頃から使っていたのかな。

【Bさん】使い始めたのは社会人になってからです。使用歴が1カ月ぐらいの私でもわかることだから、社会人歴が長い人はもっと慣れていていいと思うんですけど……。不思議だし、もうちょっとがんばってほしいです。

【Aさん】私も社会人になってからです。使いやすいツールだと思うんですけど、Zoom慣れしているおじさんって意外と少ないみたいですね。逆に、ミュートや画面共有を知っていると「この人わかってるな」って信頼感が湧きます。

■若者たちが求めるアフターコロナの働き方

【原田】今の若者はネットに慣れているから、ベースの感覚が違うんだろうね。でも中高年には、リモートワークにさびしさや苦手意識を感じる人も多いんだ。昭和的な働き方が依然として根強いのもそのせいだと思うんだけど、コロナの影響で今後は変えていかざるを得ないだろう。皆はどう変わってほしいかな。こんな会社、こんな日本社会になってほしいという希望があったら教えて。

【Cくん】リモートと出社が共存する社会になったらいいなと思います。リアルで会う必要がない仕事はネット上でやり取りできるようにして、働き方の選択肢がもっと広がるといいですね。今、僕は毎日出社していますが、正直言って感染への不安もあるし、リモートワークで済む仕事もあると思っています。

【Dくん】出社しなくてもできることって結構あると思うんですよ。うちの社はWeb商談を始めているんですが、顧客の中には「商談はリアルで会わないとできない」と思い込んでいる人も少なくありませんでした。通勤は満員電車のストレスを生むし、対面商談には移動時間がかかります。ネットを使えばもっと効率が上がるはずなので、古い価値観は変えていってほしい。僕自身も、Web商談やWeb面接を提案していくつもりです。

【Bさん】日本は今後IT産業が伸びていく国なのに、他国に比べてネット環境の整備が遅れている気がします。どんな場所でも気軽にネットが使える、そんな環境が整った社会になってほしいと思います。

■「在宅か出勤か」二者択一は古い

【Aさん】働き方も「ネットでできることはネットで、対面が便利な場合は対面で」っていうスタンスになればいいですね。Zoomには難点もあって、私は対面よりコミュニケーションが難しいと実感しています。だから「在宅か出勤か」ではなく、案件によってスタンスを変えられる柔軟な社会になってほしいです。

【原田】今後は、在宅と出勤を組み合わせて働くのが当たり前になっていくのかもしれないね。コロナをきっかけにリモートワークを推進し始めた企業も多いし、働き方が柔軟になっていく可能性は大いにあると思うよ。

日本では以前から働き方改革が進められてきましたが、それは業務量はそのままに労働時間だけを削減しようとするものでした。しかし、Zoomなどの活用が浸透していけば、拘束時間のうち多くを占めてきた通勤や移動は不要になります。この効率性に、今、昭和世代を含めた多くの人が気づき始めているのではないでしょうか。今回の若者たちの意見は、アフターコロナの時代にどう働くかというテーマを考える上でも、大きなヒントになるように思います。

----------

原田 曜平(はらだ・ようへい)
マーケティングアナリスト
1977年生まれ。慶應義塾大学商学部卒業後、博報堂に入社。ストラテジックプランニング局、博報堂生活総合研究所、研究開発局を経て、博報堂ブランドデザイン若者研究所リーダー。2018年よりマーケティングアナリストとして活動。2003年、JAAA広告賞・新人部門賞を受賞。著書に『平成トレンド史』『それ、なんで流行ってるの?』『新・オタク経済』などがある。2019年1月より渡辺プロダクションに所属し、現在、TBS「ひるおび」、フジテレビ「新週刊フジテレビ批評」「Live News it!」、日本テレビ「バンキシャ」等に出演中。「原田曜平若者研究所」のYouTubeチャンネルでは、コロナ禍において若者の間で流行っていることを紹介中。

----------

(マーケティングアナリスト 原田 曜平 構成=辻村洋子 写真=iStock.com)

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください