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JALのCAがやさしく伝授!印象が良くなる「マスク笑顔」のつくり方

プレジデントオンライン / 2020年9月29日 15時15分

真顔と笑顔では、印象がこんなにも異なる。マスクの中の表情も油断は禁物。見えていなくても、口元はしっかり笑うことが大切だ。

■CAがやさしく教える! マスク越しの笑顔のつくり方

日本航空(JAL)の客室乗務員の教育では、日頃から相手の気持ちを感知し、伝える方法について重きを置いている。今回のようなコロナ禍で、マスクを着用していても、おもてなしの「心を伝える」ことをしっかり意識しているという。客室マネジャーの清水千香子さんはこう話す。

「人が『笑顔』と感じる要素は、口角が上がっていること、目尻が下がっていること、上の歯が見えていることなどがあります。しかしマスクを着用すると、そのうち2つの要素が表現できません。そのため、コロナ禍においては、目の表情、アイコンタクトが大切になります。『目は口ほどにものを言う』『目は心の窓』などの言葉が示すように、人が誰かに伝える行為において、目の表情は非常に重要だと考えています。

最近は、マスク着用時の表情のつくり方を教育の中に盛り込んでいます。まず、マスクか同等のサイズの紙で口元を押さえ、真顔の自分を画面に映します。次に口元だけで笑い、最後に顔全体で満面の笑みにすると、マスク着用時でも相手に伝わる笑顔になります。接客のプロフェッショナルとして心も楽しくポジティブでいることが自然と明るい表情につながります」

■上司や先輩が率先して明るい環境づくりに努めている

同社は、全社員がいつも明るくポジティブな気持ちでいられるように、上司や先輩が率先して明るい環境づくりに努めている。社内で知らない人とすれ違っても「こんにちは」と声をかけたり、名前で呼び合ったり、常に感謝の言葉を伝えている。

管理職研修では「チャンスゲーム」と名付け、ピンチなお題をチャンスで返す練習をしている。たとえば「骨折をした」というお題に対し、「怪我をした方の気持ちがわかるチャンス」と返す。こんなふうに、ポジティブ思考になる習慣をつける。管理職から率先して行い新入社員まで伝わっていくと、いつしかそれは社風になるのだ。

コロナ禍の中で、オンライン教育を取り入れている同社では、オンラインでもリアルの場でも、心と心を通い合わせる信頼関係の構築が、伝える第一歩だと考えられている。知らない人でも自分から挨拶をしたり、相手の名前を積極的に呼んでいく。オンライン教育では、サムアップ(親指を立てる)や拍手マークを積極的に使い合うなど、双方向のコミュニケーションや参加者の一体感を大切にしている。

岡部有里さんは、教育内容をうまく伝えるには「教えないこと」が重要だと語る。教えないとはいったいどういうことか。

「教えるのではなく、導くことが大切だと考えています。教育担当者は、教師ではなくファシリテーターとして、相手の思いや意見を引き出し、答えを自ら導き出させるようにしています。今回は急遽リモート教育を導入したため、ファシリテーター側も手探りでしたが、この機会をチャンスと捉え『ファシリテーター、受講者ともに問題を解決しながらより良い教育にしましょう!』という流れにして、一体感に繋げています」(岡部さん)

教育などの伝える場においては、パイロットのコミュニケーション訓練を参考にすることもあるという。「教育では、要件をより端的に伝えることが重要。パイロットは極力無駄のない会話で必要なことだけを伝える訓練をしており、参考になります。たとえば、伝えたいポイントをまとめ、ナンバリングする習慣。『ポイントは5つあります。1に○○、2に△△……』というふうに、必要なことを順序だてて伝えると、相手は頭の中が整理しやすくなり、より話が伝わります」(同)。

オンライン教育は、受講者に触れて指導することができないために限界がある。できること・できないことを明確にし、できることをより深く徹底的に掘り下げる。そうすれば、それぞれのメリットを活かした効果があり、効率的、魅力的な研修ができる。

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清水千香子
日本航空 客室本部
 

岡部有里
日本航空 客室本部
 

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(力武 亜矢 撮影=南方 篤)

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