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真似れば人間関係の悩みが吹っ飛ぶ「100点満点のほめ方」文例

プレジデントオンライン / 2020年10月11日 9時15分

※写真はイメージです - 写真=iStock.com/http://www.fotogestoeber.de

どんな「ほめ方」をすれば、相手は喜んでくれるのか。ほめ育グループ代表の原邦雄氏は「結果をほめるだけではなく、『あなたのことを信頼している』『もっと知りたい、仲良くなりたい』と好意を示すことが大切です」という。20~100点の4つの「ほめ方」を紹介しよう——。

※本稿は、原邦雄『100点のほめ方』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)の一部を再編集したものです。

■相手の心に響く、記憶に残る「100点のほめ方」の具体例

人は、10のアドバイスをされるよりも、たった1つの「ほめ言葉」をもらった方が変わります。では、どんな「ほめ方」をすれば、相手は喜んでくれるのでしょうか?

「なんかステキ、かわいい」
「今日もスーツ決まっているね」
「いい契約が結べたな」

相手の見た目をほめたり、結果をほめたりすることも、立派な「ほめ方」です。

しかし、パッと目に入った印象やわかりやすい結果をほめるだけでは、瞬間的な効果しか得られません。そこで、うわべだけだったり相手をコントロールしたりするようなほめ方ではなく、心に響く、記憶にしっかり残る「ほめ方」をご紹介します。

「ほめる」ことは、「あなたのことを信頼している」「あなたの良いところをもっと知りたい、仲良くなりたい」と好意を示すことです。

単に「見た目」や「結果」をほめるだけではなく、「その人のあり方」や「頑張ったこと・過程」をほめることを意識してみてほしいのです。

■「ほめ方」の技術がギュッと凝縮されている

そこで、こんなほめ言葉はいかがでしょうか?

「いい契約が結べたな。相手のニーズをここまで引き出すとは、思っていなかったよ。影で努力していた姿を見ていたし、いつか結果は出ると思っていた。何度も企画を出して、あきらめない姿を見ていると頼もしかったよ。いままで多くの営業マンが跳ね返されてきたクライアントだったが、本当によくやった。これからも期待しているよ。わたしも勇気をもらった、ありがとう。その“誠実さ”は、持って生まれたように感じていたし、ご両親の育て方が良かったんだと思う。そして学生時代のクラブで良い恩師や仲間に恵まれたんだろうな。粘り強くやり切った、本当によくやった」

このほめ方には、「100点のほめ方」の技術がギュッと凝縮されています。

「そんな長いほめ台詞をいきなり言うなんて無理だよ……」と思われる方もいるかもしれませんが、大丈夫です。

「100点のほめ方」は、誰でも身につけることのできるシンプルな技術だからです。

■シンプルな技術で「ほめ上手」になれる

相手に喜んでもらえる「100点のほめ方」は、誰でもできるます。たとえば、

「いい契約が結べたな」

契約をとってきた部下にこう言ったとしましょう。相手は喜んでくれるでしょうか。必ずしもその言葉で、すべての人が喜んでくれるとは限りません。

「本当に大変さをわかってくれているんだろうか……」

そう感じる部下もいるでしょう。これではまだ、「20点のほめ方」です。

そこで、具体的な行動や過程をほめてみてください。

【20点のほめ方】
「いい契約が結べたな」

【60点のほめ方】
「相手のニーズをここまで引き出すとは、思っていなかったよ。影で努力していた姿を見ていたし、いつか結果は出ると思っていた。何度も企画を出して、あきらめない姿を見ていると頼もしかったよ」
 ←具体的にどこがほめポイントだったかを表現している

このようにほめると、相手は、「自分の頑張りをしっかりほめてもらった」と思えて、満足度がぐっと上がります。

■[具体例]20点、60点、80点のほめ方と、100点のほめ方の違いとは

これで、60点のほめ方になりました。さらに、ほめる側の感情を伝えるためこう続けてみましょう。

【80点のほめ方】
「いままで多くの営業マンが跳ね返されてきたクライアントだったが、本当によくやった。これからも期待しているよ。わたしも勇気をもらった、ありがとう」
 ←一対一の関係性を意識した感情を伝えている

このように、ほめる側の感情をこめてほめることで、部下は一対一の関係性を大切にされたうえで「ほめられた」「認められた」という気持ちが強まります。

ここまでくれば、もう80点。あと一歩です。

100点を目指すなら、生き方すべてを肯定し、ほめます。

生き方すべてを肯定するときは、「過去」と「現在」と「未来」、「その人の人生において大切な人」や「乗り越えてきた困難」などをその人の半生を振り返るような気持ちで、丁寧にほめていくのです。

【100点のほめ方】
「その“誠実さ”は、持って生まれたように感じていたし、ご両親の育て方が良かったんだと思う。そして学生時代のクラブで良い恩師や仲間に恵まれたんだろうな。粘り強くやり切った、本当によくやった」
 ←生き方すべてを肯定し、ほめている

現在の状況をほめるだけでは、相手の一部、「点」をほめているだけにすぎません。

原邦夫『100点のほめ方』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)
原邦夫『100点のほめ方』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)

そうではなくて、現在、過去、生きてきた環境、未来など……、相手の存在をつくりあげてきた多くの「点」を「線」で結ぶようなほめ言葉をかけることができたら、「100点のほめ方」です。

このようなほめ言葉は、相手の心に響き、記憶にしっかり残ります。そして、相手は「自分を理解してくれている」と安心感を抱き、あなたとの間に信頼が生まれてきます。

また、このように相手のことを考え尽くしてほめると、ほめる側の記憶にも相手の良さが刻まれ、尊重し合う関係の基礎が完成します。

■100点のほめ方で人間関係の悩みがほぼゼロになる理由

実はこのやりとりは、わたしの経験です。「ほめる」が持つ力を実感しているのと同時に、上司から「君のことを信頼していない」と言われ、脱力感に襲われたときの経験をもとに、日々仕事で活かしています。

わたしは現在、複数の会社を経営しています。わたしは、1年の約2割は海外出張でしたし、出張先や自宅でもビデオ通話の仕事が多く、また執筆依頼も毎週のようにあるため、部下とリアルに会うのは月に1度です。

でも、電話やSNSのメッセージ、ビデオ通話などを活用し、文章や音声、ときには映像も送ってしっかりほめているので、人間関係は円満です。

人間関係が円満だと、相手に対して、事務的なコミュニケーションだけではなく、「プラス1」の気遣いや配慮が自然とできます。

すると、話しかけるタイミングや伝え方の言葉選びに頭を悩ませないでスムーズにコミュニケーションをとれる関係性が築かれるので、仕事がどんどん進みます。その結果、部下の残業はゼロ、有給取得率100%、ベースアップも4年連続で実現しています。

わたしが部下をほめ、部下はわたしに感謝する。そんなゆるぎない関係が築けているため、改善点があれば気づいた瞬間言い合います。感情の乱れは一切生じません。

自分が悪かったと思ったら、もちろん、わたしも謝ります。素直に謝る文化も根づいているので、仕事の質がさらに上がり、とても良い循環が生まれています。

「100点のほめ方」を身につけると、ポイントをついた「ほめ」ができるようになり、相手との距離が一気に近づいて、信頼関係がこの上なく強固になるのです。

それは、相手の生き方をほめ、受け入れることにもつながります。すると相手から「この人といると楽しい」「この人ともっと話したい」と思ってもらえて、仕事はもちろん、プライベートでも良いことがたくさん起こります。

そして、人間関係の悩みがほぼゼロになるのです。

(原邦雄)

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