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禁煙、禁酒、ダイエット……「●●しない」を目標にする人は失敗する

プレジデントオンライン / 2021年3月17日 9時15分

※写真はイメージです - 写真=iStock.com/Fertnig

コロナ禍で健康面での二極化が進んでいる。規則正しい生活になった人がいる一方で、食べ過ぎ、飲み過ぎ、タバコの吸い過ぎなど、不健康な生活になってしまう人もいる。メンタルコーチの大平信孝氏が健康を害する悪習慣をやめる「禁煙・禁酒・ダイエット」のコツを紹介する――。

■静かに進行する、健康面での二極化

新型コロナウイルスをきっかけとして、働き方や生活が大きく変化しつつあります。在宅勤務、リモートワーク、時差通勤が一気に広まり、イベントや授業、買い物などのオンライン対応が進みました。旅行やレジャー、外食、飲み会、イベントなどに制限があり、今まで「当たり前」「普通」と思っていたことが、普通にできない日常になりつつあります。

そんななか、食事、睡眠、運動など規則正しい生活を取り戻し、健康的な生活習慣を手にした方もいます。一方で、状況の変化によるストレスやプレッシャーなどにより、食べ過ぎ、飲み過ぎ、タバコの吸い過ぎなど、さらに不健康になってしまった方もいます。

新型コロナウイルスをきっかけに健康面でも二極化が進んでいるのです。

今回は、食べ過ぎ、飲み過ぎ、タバコの吸い過ぎといった健康を害する悪習慣をやめるための禁煙、禁酒、ダイエットのコツをお届けします。

■「やめること」をゴールにしているとやめられない

[コツ1]やめることだけでなく、「◯◯する」という肯定形で決める

禁煙、禁酒、ダイエットなど、やめたいことについて、あなたは「やめること」をゴールにしていませんか。

実は、「やめること」だけをゴールにしていると、やめられません。「○○しない」という否定だけだと、ひたすら我慢することになるので、最初の行動のハードルが高くなりがちだからです。さらに、なんとか我慢できたとしても、「しない」という否定形の行動の効果を実感するまでには時間がかかるので、続けることが難しいのです。

では、禁煙、禁酒、ダイエットなど、「しないこと」を目標にしたい場合は、どうしたらいいのでしょうか。

この場合は、「それをしない代わりに何をするのか?」を決めてください。つまり、目標を否定形から肯定形に書き換えればいいわけです。

例えば、禁酒したいのであれば「お酒を飲む代わりに、ウーロン茶や炭酸水を飲む」、禁煙したいのであれば「タバコを吸いたくなったらコーヒーを飲む、深呼吸する、ガムをかむ」など、肯定形に変換すればいいわけです。

■完璧主義な人ほど「やめられない」理由

[コツ2]完璧を求めず、今すぐできることから始める

そうはいっても実際には、なかなか簡単にやめられないことがあります。

やめられる人は、完璧を目指しません。とにかく、一度やめてみることがポイントだとわかっているので、即実行します。準備も計画も不要で、一度実際にやめてみて、不便を感じたり、ハードルが高すぎたりしたら、そこから創意工夫していくわけです。

やめられない人は、「完璧にやめられないから、今はやめない」と考えます。例えば、「今日はストレスがたまっていてお酒が必要だから、禁酒は明日からにする」「夜食をやめたいけれど、おみやげにもらった特別なお菓子があるから、今夜はやめない」「買いだめしていたタバコがなくなったら禁煙しよう」となるわけです。

または、「やめる準備が完璧にできていないから、やめない」と考えます。例えば、「お酒をやめたいけれど、お酒の代わりに飲む炭酸水を買っていないから、今日は禁酒しない」「夜食をやめたいけれど、今日は夕ご飯をしっかり食べていなくておなかがすいているから、今夜はやめない」といった具合です。

ラーメン
写真=iStock.com/kazuhide isoe
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/kazuhide isoe

■三日坊主になってもいいから、今すぐ「やめてみる」

実際に試してみないと何が必要かわからないことは、世の中には山ほどあります。

自転車に乗れるようになったときのことを思い出してほしいのです。自転車に完璧に乗れる準備ができてから、自転車に乗ろうとすると永遠に乗れるようになりません。なぜなら、転んだり、擦りむいたり、倒れたり、ふらついたり、失敗や試行錯誤のプロセスが必須だからです。そこで、必要を感じたら、膝をけがしないように短パンではなくて長ズボン、足のけがを避けるためにサンダルではなくて靴、ヘルメット、手袋、と、必要に応じて用意していったはずです。

やめられない人は、試行錯誤せずに一気に自転車に乗ろうとしているようなものです。失敗や試行錯誤のプロセスなしでは、やめられないのですから、完璧を目指すと永遠にやめられません。

「完璧にやめよう、完璧な準備ができてからやめよう」と考えて、やめないでいるのと、中途半端かもしれないけれど、やめることを繰り返して、数カ月後にビシッとやめられるようになるのと、どちらが「完璧」に近づくでしょうか。

やめるために必要なのは、とにかく一度やめてみること。最初のハードルを限りなく低くすることです。三日坊主で挫折してもいいし、失敗してもいいのです。大事なのは、「まずやめてみる」という一歩を踏み出すこと。完璧な準備ができるまで待とうとは、考えないことです。一度やめてみて、うまくいかなかったら、軌道修正すればいいだけです。

■軌道修正は「週1回」がちょうどいい

[コツ3]週単位で行動の軌道修正をする

とりあえずやめてみた後は、定期的に振り返って軌道修正しましょう。では、軌道修正はどれくらいの頻度で実践すればいいのでしょうか。

「1週間ごと」というのが、意外にも効果があるのでおすすめです。

私が週1軌道修正をおすすめする理由は2つあります。

第一に、週に1回であれば、なんとか時間を確保でき、実践できるからです。「1日」単位だと、タスクに埋もれてしまうことがあります。でも1週間あれば、「やるべきこと」だけでなく「やりたいこと」に着手する時間を確保できます。また「月単位」だと、「やるべきこと」に圧倒されて、どこから手をつけていいかわからなくなることがあります。でも1週間単位であれば、自分でハンドリングできる目標をたてることができます。

第二に、年に50回リセットするチャンスを得られるからです。

もし仮に、今週うまくいかなかったとしても、週単位で考えることで週末にリセットして、翌週から新たに挑戦することができます。仮に実行できなかったとしても、翌週にすればいいわけですから、リカバリーも可能です。そして、毎週軌道修正するとすれば、1年で50回も挑戦したり、リセットしたりする機会があるので試行錯誤しやすいのです。

■うまくいかないなら、やり方を変えればいいだけ

では、軌道修正では、毎週、具体的に何をしたらいいのでしょうか。

まずは、「3つの視点」でチェックしてみてください。

3つの視点とは、具体的には、以下の通りです。

・「うまくいっていること」は増やす
・「うまくいっていないこと」は減らすかやめる
・「新しいこと」を始めるか、「やり方」を変える

例えば、お風呂上がりにビールを飲む代わりに炭酸水を飲んでうまくいったのだとしたら、「うまくいっていること」は増やせばいいので、毎回それを実行すればいいわけです。

大平 信孝『先が見えなくても、やる気が出なくても 「すぐ動ける人」の週1ノート術』(PHP研究所)
大平 信孝『先が見えなくても、やる気が出なくても 「すぐ動ける人」の週1ノート術』(PHP研究所)

また、お風呂上がりにビールを飲む代わりに炭酸水を飲んだけれど、物足りずにビールを飲んでしまったのだとしたら、「新しいこと」を始めるか、「やり方」を変えればいいので、お風呂上がりに飲むものを炭酸水以外のもの、ウーロン茶やコーヒー、レモン水などに変えて試してみればいいわけです。

このように、ちょっとした軌道修正を積み重ねていくことで、思っていたよりスムーズにやめられるようになることがあります。

働き方や生活が大きく変化するときというのは、時間の使い方、働き方、生き方を見直すチャンスでもあります。せっかくなら、これをきっかけに健康的な習慣を身につけてみませんか。

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大平 信孝(おおひら・のぶたか)
メンタルコーチ
アンカリング・イノベーション代表取締役。目標実現の専門家。長野県生まれ。中央大学卒業。脳科学とアドラー心理学を組み合わせた独自の目標実現法「行動イノベーション」を開発。現在は、法人向けに、チームマネジメント・セルフマネジメントに関する研修、講演、エグゼクティブコーチングを提供している。個人向けには「行動イノベーション年間プログラム」とオンラインサロンを主宰。近著に『先が見えなくても、やる気が出なくても 「すぐ動ける人」の週1ノート術』。公式サイト。

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(メンタルコーチ 大平 信孝)

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