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「1億円貯めた家庭」が子どもにお小遣いを渡すときに必ずする"ある儀式"

プレジデントオンライン / 2021年6月14日 11時15分

※写真はイメージです - 写真=iStock.com/xavierarnau

お小遣いを渡すときは、子どもに金銭教育をするチャンスですが、1億円貯められるようなお金持ちは、どのような渡し方をしているのでしょうか。ファイナンシャルプランナーの藤川太さんは「お金を使う目的を明確にさせている家庭が多い。そのためお金持ちの家庭には、物欲にとらわれない子どもが多いですね」と指摘する――。

■「お金を使う目的」をはっきりさせる

これまで数多くの家計を見てきた経験から言えるのは、お金をしっかり貯めている家庭の子どもは「物欲がない」ケースが多いことです。なぜそう育つのか、はっきりとした理由はわかりませんが、不思議なくらい共通しています。

物質的にも精神的にも満ち足りているのかもしれませんが、モノに「必要性を感じません」という感覚を持った子どもが多いのです。

お金持ちの家庭はご両親がさまざまな方法でお金教育をしっかりしているのですが、共通しているのは、「お金を使う目的を明確にさせている」ことです。

■お金持ちによる「お金教育」2つのパターン

たとえば、お金が必要な都度、「何にいくら必要か」を子どもにプレゼンさせて、親が納得すればお金を渡すパターンがあります。あるいは、毎月定額のお小遣いを渡すのですが、お小遣い帳をつけさせて、「これは何のために使ったの?」とあとでしっかり確認するパターンもあります。

いずれにしても、何のためにお金が必要かをしっかり確認し、必要なお金であれば惜しみなく出すケースが多いのです。

わが家では、前者のパターンを採用しています。お金が必要なときは、「なぜ必要なのか」を聞いて、納得できれば渡しています。そのお金はお小遣いというより、必要経費あるいは投資のようなイメージです。

■定額制と報酬制、お小遣いはどちらがいい?

子どものお小遣いは、定額制がいいのか、報酬制がいいのか、迷うことも多いと思います。報酬制とは、「お手伝いをしたらいくら」と、労働の対価の形で渡すパターンです。

私の経験では、サラリーマン家庭は定額制で毎月決まった額のお小遣いを渡しているケースが多く、その中でもお金持ちは、お金を何に使ったか、お小遣い帳をつけさせています。一方で経営者や投資家の場合には、子どものお小遣いを報酬制にしているパターンが多いようです。たとえば、お手伝いをした、勉強や習い事、スポーツで成果を出したときに、何かを買ってあげるのです。

報酬制を採用している親は、「社会の仕組みがそうなっているから」と考えています。社会に出ると、成果を出すことと報酬は結びついています。何もせずにお金をもらえることはありません。それをしっかり教えておきたい気持ちがあるのです。

■お小遣いをもらっている小中学生は75.6%

バンダイの「小中学生のお小遣いに関する意識調査」(2019年)によると、お小遣いをもらっている小中学生は75.6%です。4人に3人がお小遣いをもらっていることになります。

おこづかいをもらっている小中学生の割合
定期的におこづかいをもらっている小中学生の割合

お小遣いをもらっている小中学生のうち、定期的にもらっているのは42.7%と半数以下でした。報酬制や必要なときに渡すパターンのほうが多数派になっているようです。

子どもには、「なぜお金がもらえるのか」をしっかり教える必要があります。日ごろの生活の中では、親がATMにキャッシュカードを入れると、自動的にお金が出てくるように見えてしまいます。なぜお金を引き出すことができるのか。それは親が仕事をして、その報酬が銀行に振り込まれているからです。それをしっかり教える必要があります。

また、限られたお金を「どう有効に使うか」も考えさせなければなりません。何も考えずにお小遣いを使ってしまうと、あっと言う間になくなってしまいます。しかし、使い方次第では「こんなことができる」、同じ1万円でも「使い方によって大きく違う」ことを教えなければなりません。

■お金持ちがお金持ちを再生産する

私は「お金持ちがお金持ちを再生産する」と考えています。お金持ちは、日ごろの生活の中で、何も考えずにお金を使うとすぐになくなってしまうこと、無駄遣いをしてはいけないことを子どもに疑似体験させています。そのため、お金持ちの子どもはお金持ちになるケースが多いのです。

その結果、物欲のない親の下では、やはり物欲がない子どもが育つのではないでしょうか。もし、子どもが物を欲しがるのであれば、親の物欲が高い可能性が高いのです。

瓶に入れた硬貨を3代の手で包むように持っている
写真=iStock.com/ThitareeSarmkasat
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/ThitareeSarmkasat

こんなエピソードを聞いたことがあります。Aさんは以前、親せき一同でヨーロッパ旅行に出かけたそうです。そのときAさんは、姪っ子に「記念に何か買ってあげるよ」と言いました。しかし姪っ子は「十分楽しいし、別に必要ないから……」と。

目の前にはスワロフスキーのアクセサリーなど、普通なら女の子があこがれるような商品がたくさん並んでいます。それでも興味を示さなかったのです。姪っ子の母親であるAさんの姉も物欲がないそうですが、姪っ子は輪をかけて物欲がなく、やはり親から子へ受け継がれていくものだと感じたといいます。

旅行にしてもレジャーランドにしても、行くと食事代やお土産代で相当な出費になるのが普通です。しかし、その場を楽しむ習慣ができていれば、出費を抑えることができます。観光地で買った土産は、後から考えてみると無駄になっていることが多いと思います。限られたお金を有効に使う習慣をつけることは大事です。

■確定申告を教える学校が登場

日本では親世代が金銭教育を受けていないので、子どもにお金のことを教えるのは難しい面がありますが、せめてお小遣いの渡し方は考えた方がいいでしょう。

日本では金銭教育というと、投資の話が先行してしまいますが、その前に家計管理や税金や社会保険などの仕組みなどを教えるべきだと思います。ただ最近は音楽大学でも確定申告の授業があるなど、徐々に学校教育に取り入れられています。それはとてもいいことだと思います。

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藤川 太(ふじかわ・ふとし)
ファイナンシャルプランナー
生活デザイン代表取締役社長。2001年に家計の見直し相談センターを設立以来、2万世帯を超える家計診断を行ってきた。『やっぱりサラリーマンは2度破産する』など著書多数。

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(ファイナンシャルプランナー 藤川 太 構成=向山 勇)

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