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同じような失敗を繰り返す人とは決定的に違う…爆速で成長する人が心の中で反芻する「17文字の言葉」

プレジデントオンライン / 2023年8月23日 19時15分

出典=『一瞬で自分を変えるセルフコーチング 最高の「気づき」を得る、自問自答の技術』(三笠書房)

仕事ができる人は何をしているか。プロコーチの林英利さんは「成長力を高めるには、経験した後に良い振り返りを行い、経験から得られた学びを『教訓』として概念化することが大切だ。人は書籍や研修以外の現場から、およそ7割を学んでいる」という――。

※本稿は、林英利『一瞬で自分を変えるセルフコーチング 最高の「気づき」を得る、自問自答の技術』(三笠書房)の一部を再編集したものです。

■「経験から学び、次に活かす」サイクルを回す

学生の頃は当たり前に与えられてきた学ぶ機会が、社会人になっても用意されているかというと、必ずしもそうとはいえません。

企業によっては研修などが設けられているところもありますが、行なわれない企業も未だ少なくないでしょう。

また、研修があったとしても、その後の自分の将来、自分の成長について考えると、十分とはいえないケースも多いはずです。

では、どうすればいいのか。もっとも効果的かつ効率的で、経済的にも理にかなっている方法は、「毎日の仕事の中で学び、成長する」ことです。

アメリカの人事コンサルタントであるマイケル・ロンバルドは、

「人はおよそ70%を現場で学び、20%は観察学習や他者からの指導によって学び、残りの10%は研修や書籍から学ぶ」

と述べました。

「現場で学ぶ」とはどういうことか。

つまり、実際にやった仕事の経験から学ぶということです。

さらには、経験から得たことを次に活かすことが重要と考えられています。

経験から教訓を導き出し、次に活かしていくプロセスを理論化したものが、アメリカの組織行動学者デイビッド・コルブが提唱した「経験学習モデル」です。

ここでは、「経験学習モデル」のサイクルを自力で回して、自身の成長力を向上させていくセルフコーチングについて、お伝えしていきたいと思います)。

■この“振り返り”が大事な学び、気づきを促す

いかに経験を学びに活かし、成長につなげていくか――。

それを考えていくとき、まずすべきは、その経験がいったいどういったものだったのかを振り返ることです。

つまり、

「この経験で得られたものはなんだろう?」

と、振り返る必要があります。

成長力を高めるための第一歩が、この自問自答です。

結果にかかわらず、この経験で何がわかったのか、何を知ったのか、何が得られたのかを明らかにしましょう。

実際のところ、一つの仕事が終わったあと、わざわざ振り返ってみるなど、やらない人も多いだろうと思います。

でも、結果だけを見て、「今回はうまくいったな」「今回はダメだったな」といった漠然とした感想だけで終わってしまったら、次に活かせるものはなかなか見つけられません。

仕事全体を通して得られたことでもいいですし、

「チームワークについて、どんな学びがあったか?」
「仕事の段取りに関して、何か気づきはあったか?」
「顧客との信頼関係はうまく築けていたか?」

など、質問の切り口を変えてみます。

すると、得た学びをより引き出しやすくなる場合もあります。

自分のやりやすい方法を探ってみてください。

■「成長の種」を見つける自問自答法

さらに仕事の結果をふまえて、

「いい結果につながった要因はなんだろう?」
「うまくいかなかったことで、得られたことはなんだろう?」

と、考えてみます。

単純に○か×かという判断ではなく、たとえば合格点を80点と想定していたところ結果が70点だったとしたら、

「10点分うまくいかなかったことで、得られたことは何か?」

という点を探るのです。

つまり、エジソンがいうところの、「失敗ではない。うまくいかない1万通りの方法を発見したのだ」という考え方と同じです。

いいところにも、足りなかったところにもフォーカスして、成長につながる何かを見つけていきましょう。

種をまく手元
写真=iStock.com/RomoloTavani
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/RomoloTavani

会社員時代、新規事業に対して他部署の協力がうまく得られず、思うように進まなかったことがありました。

そこで、既存の商品をベースに新商品のコラージュをつくってまわりに見せてみると、これまで新商品に懐疑的だった人たちが、「こういうことをやりたかったのか!」と納得し、一気に協力者へと変わっていったのです。

この経験から、「やはり、ビジュアルで見せられるとわかりやすい」「既存商品をベースにしたことで、もともとその商品に関わっていた人たちの心証がよくなったようだ」と気づきました。

逆に考えると、うまくいかなかった原因は、商品のイメージをわかりやすく伝えられていなかったからです。

万事が順調にいく仕事などほとんどなく、一つの仕事を進める中で紆余(うよ)曲折がありますよね。

それらを振り返ってみることで、得られる気づきもあるのです。

■「思いがけず得られたもの」を探すメリット

また、仕事を通して、想定外の思いがけない発見をすることもあります。

つまり、仕事の結果とは直接関係のないところで、すごくいい学びを手に入れたようなケースです。

あなたの仕事にもそんなうれしいオマケがなかったかどうか、

「想定外に得られたものはなんだろう?」

と、問いかけてみてください。

たとえば、あるプロジェクトを進行するにあたって、すべて自社スタッフで対応しようと思っていたところ、期日の問題から外部の力を借りなければならなくなったとします。

想定外のことでしかたなく外部の業者に依頼することにしたけれど、意外とスムーズに作業が進んだし、建設的な意見交換もできて、いい結果につなげることができた――。

こうして、予定とは違うプロセスを経ることになったけれど、それがいい結果につながったばかりか、今後は仕事のやり方の幅も広がりそうだとなれば、得たものは大きかったといえます。

「よくあることだよね」と思うかもしれません。

たしかにそうです。

でも、ここで振り返りをしなければ、「ご縁ができてよかった」で終わってしまうと思いませんか。

あえて意識的に「得られたものは何か?」と考える――。

そうすることで、学びがあったことにあらためて気がつき、さらには今後の成長力に変えていけます。

学びや気づきを成長力につなげていくという意味でも、最後に、

「今回の経験で、自分はどのように成長できただろうか?」

と、単刀直入に問いかけてみてください。

この質問に答えることで、仕事全体を言葉できちんと総括しておくと、そこで得た学びや気づきも、あなたの印象に強く残るのです。

この効果を高めるためにもセルフコーチングで導き出した自分なりの解答をぜひ紙に書き出すなどして「言語化」しておくことをおすすめします。

文字にすることで、次のステップ「概念化」を円滑に進めやすくなります。

良好的なパートナーシップ
写真=iStock.com/VioletaStoimenova
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/VioletaStoimenova

■経験を教訓にどう落とし込むか

「経験」とは、振り返った時点ですでに過去のものであり、それを未来に活かせるかどうかが成長力を高めるためのポイントになります。

そこで、すでに前段階で言語化された、経験から得た学びや気づきを、今後に役立てていくために、「教訓」として概念化していきましょう。そのために、

「この経験からいえる、本質的なことはなんだろう?」

と、考えてみます。とっさに出てこないようなら、

「この経験における、一番大切なことはなんだろう?」
「一言でいうと、何が得られたのだろう?」

などと、自問自答してみたらいいと思います。

「本質」とはそういくつもあるものではありませんから、できるだけ1つに絞りましょう。

それが難しい場合は、

「この経験における大切なことを、3つ挙げてみると?」

と問いかけ、厳選された3つの中からあらためて1つを選んでみるといいと思います。

それこそが、経験から得られた「教訓」といえるのです。

■ただの教訓で終わらせる人、次のチャンスに活かせる人

経験から教訓を得て、次の機会に役立てていくことの繰り返しが「成長」ではないかと思います。つまり、

「この教訓を、具体的に何に活かす?」

と考え、実際にやってみる。

それが成長につながるのです。

先に挙げた「経験学習モデル」の図(図表1)でいうと、「実践」の段階にあたります。考えるだけでなく、実際に行動を起こすために、この問いかけはとても効果的です。

先に、新規事業をはじめたとき、具体的なイメージを明確に伝えたことで、他部署との協力関係がスムーズにいったという私の経験談をお話ししました。

林英利『一瞬で自分を変えるセルフコーチング 最高の「気づき」を得る、自問自答の技術』(三笠書房)
林英利『一瞬で自分を変えるセルフコーチング 最高の「気づき」を得る、自問自答の技術』(三笠書房)

当時、私も、

「この教訓を、今後具体的にどう活かせばいい?」

と、自問自答してみたのです。

その結果、他の部署がからむようなプロジェクトを進めるときには、文字情報だけでなく、画像をふんだんに取り入れた資料づくりをするようになりました。

おかげで、同じような失敗を繰り返さずに済んだのです。また資料作成の基本パターンができたことで、効率もアップしました。

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林 英利(はやし・ひでとし)
プロコーチ
Biz Mentor代表メンター・エグゼクティブコーチ。銀座コーチングスクール顧問。1972年、東京生まれ。大和ハウス工業、トヨタ自動車などを経て、2010年にプロコーチ、研修講師として独立。大手企業の経営者や管理職などを対象に、コーチングサポートやリーダーシップ研修を提供。2015年、年間3000名が受講する、銀座コーチングスクールの代表に就任し、コーチング講座の開発のほか、プロコーチや講師の育成に尽力。2019年に「“一緒に働きたい”と言われるリーダーづくり」をミッションに掲げ、一般社団法人日本リレーショナルリーダーシップ協会(JRLA)を設立。現在は、厳選されたビジネスメンター(Biz Mentor)と共に、管理職・ビジネスリーダー向けのメンタリングやコーチングサポートを提供するほか、1on1の定着支援プログラム「1on1実践トレーニング」を、組織改革を目指す企業などに提供している。

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(プロコーチ 林 英利)

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